第十二話 ダイダゴン横丁
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とね。僕はね、純血以外の連中はホグワーツに入学なんかさせるべきじゃないと思っているんだ。そう思わないか? 連中は僕らと同じじゃない。手紙をもらうまではホグワーツの事を知らなかった奴だっている。そんな奴らに魔法を教えてやるなんて馬鹿げている!」
随分と酷い選民思想だなとエメは思った。選民思想が酷いのではない。考えの浅い稚拙な選民思想だと思って馬鹿にしたのだ。
エメは面白くなさそうに鼻を鳴らす。他の2人の様子を見てみると、フレデリカは話し半分で聞き流していて、アーサーは何か引っかかっているらしく首を傾げてその何かをおもいだそうとしているようだ。
次の人が呼ばれ、アーサーが採寸をしてもらいにその場を離れた。
もう1人の方も直ぐ終わったらしく、フレデリカも呼ばれる。
どうやら女性への配慮からか、カーテンで周囲を仕切られてフレデリカの姿が見えなくなる。特に理由もなくぼんやり眺めていると、カーテン越しに声が掛けられた。
「エメ君ごめん。いくつか私服も買うつもりだから少し遅くなる。ドラコの面倒見ててくれる?」
「なっ!! 失礼な、僕は子供じゃないぞ! フレデリカ、君は僕の保護者か何かか!?」
「あら、だって私、あなたのご両親からあなたのことをよろしくと頼まれているもの」
何か言い返すより早く、マルフォイとフレデリカがカーテン越しに言い合いを始め、最終的にマルフォイが痛そうに頭を抱えて折れることで決着がついた。
マルフォイはエメの方を見ると、肩をすくめて仕方がないなぁと表現した。
どうでもいい事ではあるのだが、マルフォイの気取ったような態度は正直似合ってないので、傲慢そうに見えてエメは嫌悪感を覚える。
話し相手がエメ以外にいない為、マルフォイは意味も無い自慢話しをひたすら続けてエメの苛立ちを煽っていた。
「これから、競技用の箒を見に行くんだ。一年生が自分の箒を持っちゃいけないなんて、理由がわからないね」
「あーうん。まぁ、そうかもしれんな」
苛立ちを抑
おさ
えて、話しの殆どを聞き流しているエメは適当に頷いて言う。
マルフォイの方もそれを気にした様子はない。ある意味自分の世界に浸りきっていると言えるだろう。
「君はどの寮に入るかもう知ってるの?」
「もちろん。アントワネット寮だよ」
答えた後にマルフォイが首を傾げたのを見て、エメは違和感を覚えた。マルフォイの言う寮とは、ホグワーツの学生寮という意味だった。
「もしかして君はホグワーツじゃ無いのか?」
「ああ、いろいろ理由があってね。フランスのボーバトン魔法アカデミーに行くんだ。ところでお前は自分の寮を知ってるのか?」
「いや、知らないね。ホグワーツは入学式に行
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