第十二話 ダイダゴン横丁
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て来たメカテーに説明を受けて、金庫へと案内される。グリンゴッツはトロッコで金庫まで移動する仕組みになっているらしく、金庫に行くまで目が回るくらいの超高速で動くトロッコに乗って移動した。
最初はそのスピードに驚いたが、慣れれば結構楽しい乗り物だ。金庫に向かう途中には何千何万もの鉄扉が見受けられた。因みにこの地下は下手に盗みに入ろうものなら迷子になりかねないぐらい広く、その全域を網羅する為にこのような速度でトロッコを走らせているらしい。
トロッコを操縦していた小鬼が云うには、年に何回かは脱線を起こして勢いのまま壁などにぶつかり爆散してしまうトロッコもあるらしい。
笑いながら言われたので、ジョークだと思い笑い飛ばそうとしたエメの目の前を、エメ達が乗っているトロッコよりも更に速い速度で走り抜けていくトロッコがあった。実に荒々しい運転で、時折車輪がレールから外れそうになっているのを見て、エメの顔が青ざめる。
スネイプにあれぐらいが普通だと教えられ、自分たちの乗っているトロッコが如何に安全運転だったかを知る。
アーロン家の金庫には、宝や金貨が山のように積まれていた。他にも銀貨や銅貨が同じように高く積まれていて、物珍しそうにエメは手に取ってみる。
紙幣が主流となった今、というよりもそもそも大金のやり取りは書類で行うエメにしてみれば、時代遅れなイメージが強かった。
よく考えてみれば、お金に触ることじたいが久し振りかもしれない。エメは記憶を遡ってみる。最近の金銭管理はロタロタがやっていた。その前は屋敷に腐る程資産はあったし、買い物はふみ任せだった。仕事上お金には関わっているが、書類での決算ばかりだったし……少なくとも数年は現金に触れて無いことに気付いたエメ。が、気付いたからといってどうという事も無かった為直ぐに忘れた。
お金はスネイプが必要な分だけ取り分けて持ち出した。
グリンゴッツから出てきたエメとスネイプは魔法族でいっぱいのダイアゴン横丁を歩きながら、入学準備の為の最初のお店を訪れた。
マダムマルキンの洋装店を見つけるのは比較的簡単だった。
『マダムマルキンの洋装店ー普段着から式服まで』という看板が掲げられていたからだ。
「今日貴様が行うのは、この店でボーバトン魔法アカデミーの制服を作る為の採寸を測ることと、後で行く店で貴様の為の杖を買うことだけだ。残りの学用品は我が輩が揃えて来るから余計なことはするなよ?」
「あーはい、分かりましたスネイプ先生」
マダムマルキンの洋装店で寸法を測っている間騒ぎを起こさないようにと言ったスネイプは、エメを置いて去って行った。
エメが店に入ると既に、複数の人が順番待ちをしていた。
エメが扉を開けたことによ
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