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ハリー・ポッターと蛇の道を行く騎士
第八話 クラス分け
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の人間が、エメの発する異様な雰囲気
カリスマ性
に呑まれてしまっている。

「…………」

 ガブリエルはほぅ、と感嘆の息を吐く。
 ……時折、この手の生徒が現れる。他と違うカリスマ性とでも呼ぶべき物を備えている優秀な者だ。

「ほーう、これはまた難しい者がきたな。ふむ、聡明でいて知識欲に溢れている。目的のためにはどこまでも貪欲になれる。他者を見下し常に上に立っているのが当たり前だという不遜さを持っている。大事な者の為なら全てを投げ打つ覚悟もある。……実に悩ましいな」

 悩ましいと言いながらも、既にガブリエルはエメの寮とクラスを決めていた。
「1組、アントワネット寮!!」

 おぉ〜、と先輩達にどよめきが走る。
 不思議に思いつつアントワネット寮の先輩が迎えに来るのを待つが、誰も迎えに来ない。
 本当の上下関係を理解させる為にカリスマ性を魅せたにも関わらず迎え1人よこさないアントワネット寮の先輩達を不快に思ったエメの下に一匹の黒猫がやって来る。
 ニャーンと鳴いて招くように尻尾を振るとエメを先導する。
 迎えさえも使い魔にやらせ、舐められていると感じたエメは余計に苛立ちを募らせる。

 黒猫に連れてこられたテーブルの様子にエメは驚いた。
 他の寮に比べて何倍も豪華なテーブルや椅子。何よりもそこに座るもの全員が大小の差はあれど、支配者の風格を纏っているのだ。

「どうした新入生? そんな意外そうな顔をしなくても良いだろう?」

「ああ、すまない……ここだけ周りと違いが大きくてね。不快にさせたでしょうか?」

「フフッ、冗談だよ。これは君の歓迎会だ。そう気を張るな、仲良くやろう
俺の下に下れ
じゃないか」

 既に駆け引きは始まっている。
 支配する者同士にしか分からぬ些細なやり取り。
 エメに黒猫を送り込んで来た先輩がワイングラスを差し出し、杯にワインを注
そそ
ぐ。
 仲良くしように込められた副音声に気付いたエメは、注

がれたワインを一口含んでにこやかに微笑み返す。

「ええ、もちろん。これからよろしくお願いしますね。先輩?」

 先輩から差し出された手は無視して、ワイングラスを持っていない手をポケットにしまう。もし手を取ってしまえばそれだけで知らぬ間に配下に加わったことにされてしまう。
 含みを持たせた喋り方で言外に警告を掛ける。

 この僅かな会話の間にも先輩同士で秘密裏に牽制のしあいが行われる。
 自分を出し抜こうとする者がいる。自分の指示を聞くだけの操り人形のようだった日本の連中とは違い、自分と同等の実力を持って競える者達の存在を知り、エメは期待に胸
むね
を膨
ふく
らませる。

 先輩同士の駆け引きを出し抜いてエメに一番最初に声を掛けてき
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