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ハリー・ポッターと蛇の道を行く騎士
第八話 クラス分け
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らないままだった。


 先生の案内で奥の扉を抜けると、そこはかなりの大きさをした大広間だった。一番奥の壇上には巨大長テーブルが横に一つ置かれている。
 正面の壁には、エメから見て左から藍色の布に鬣を靡かせ旗を掲げる銀のユニコーン、黒布に冠を被って玉座に君臨する赤い獅子、赤布にラッパを吹く金のドラゴン、青布に体を膨らませた茶色のフクロウ、エメラルドグリーンの布に前脚を高く上げているホワイトグレーの馬、と五つの旗が掛けられてはおり、さらにその上にカトリック派の十字架が輝いていた。
 左右と後ろの上階からは多くの先輩が今年入学する生徒達を見下ろし、壇上のテーブルには恐らく教師であろう人たちが座っている。

 エメたちは大広間の真ん中を通り、壇上前へと進んでいく。
 壇上前に全員が並び、上級生たちに向かって立たされる。
しばらくは静かな時間が流れたが、突如、天使達が光臨し、歌を歌い始めた。

『『『愛を信じる者達よ不屈の覚悟を掲げなさい。聖なるジャンダルクに敗北は無し。
誇り高き者達よあまねく愚者を支配せよ。偉大なアントワネットに栄光あれ。
正義を掲げる者達よ信頼を胸に突き進め。猛るローランスには勝利のみ。
知識を集めし者達よ努力を惜しむ事無かれ。賢人エヴァリストに謎は無い。
勇気を持ちし者達よ調和の心を忘れるな。優しきボナパルトには大義あり。
旗に宿る志しを見失うな!
三種の人と五つの旗が集いしここはボーバトン魔法アカデミー。
ボーバトン!ボーバトン!!ボーバトーーーン!!!』』』

 天使達の歌が終わると、一際偉そうな天使が進み出る。対応するように校長が進み出て、頭を下げる。

『祝言を述べに来たぞ』

「今年もよろしくお願いします。ガブリエル様」

 今日は、お告げの祝日。
 本来ならば大天使ガブリエルによる聖母マリアへの受胎告知を祝う日であるのだが、受胎告知を新たな魔法使いの誕生、つまり新入生の祝いに変換した魔術的な儀式がこのクラス分けの正体である。

 さっそくガブリエルによって新入生たちは次々とクラスや寮を分けられていく。
 どうやら名前を呼ばれると前に出てガブリエルにクラスと寮を決めて貰う。その後迎えに来た同じ寮の先輩が自分達の席まで案内する。という流れのようだ。

「エメ・アーロン!」

 エメの番がやってきた。名を呼ばれたエメはゆっくりと前に歩み出る。
 あれほどまでにざわめいていた大広間が少しずつ静かになっていく。

 ゆっくりとした足取りで歩き、まさにこれから天使に挑もうかと言わんばかりの堂々とした姿が、その洗練された動作の一つ一つが見る者を釘付けにする。
 かの大天使ガブリエルを相手にしながら、ふてぶてしいまでもの不遜さに、誰もが目を離せない。
 この場にいる全て
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