第七話 本の中の世界
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…エニグマ?……これ、読めないんだけど」
『んな!?そうやった、嬢ちゃんドイツ語は読めへんのか……どないしよう?』
しばらく作業が止まっていたが、再び凄い勢いで文章が変換されていく。ドイツ語から英語に変換された文章を読んで、この世界図絵の使い方を覚える。
『───ほな、契約完了や。これからよろしゅう頼むで主様』
「───ふむ。なかなかに面白そうな事をやっているな」
『な、なんやー!?』
ふみとエニグマだけで、第三者が入って来られない筈の空間に突如第三者が表れる。
鋭い目つきや威圧感のある雰囲気など身に纏う空気は違うが、外見だけならばふみとまったく同じ見た目の少女が白い空間内に姿を見せる。
「……起きたの?……おはよう、サタン」
『サタンやってー!?あの、地獄の長の?……こりゃまたえらい大者が出てきよったなー』
「何故もっと早く起こさないのだ。こんな面白そうな事を俺に教えぬ積もりか?」
「……別に。……知りたいことは知れたから、もうどうでもいい」
「……まあいい、仕方がない。次は呼べよ?」
サタンが出て来てから、一度も会話に混ざれぬエニグマ。
自分中心の言動をする点でいえば、この2人は似たもの同士であろう。
エニグマを置き去りに、ふみはパネルを操作して白い空間から出る。
目が覚めると図書館にいた筈なのに、何故か自分の布団で寝ていた。
首を傾げつつも枕元の魔法書を抱え持ち、食堂に向かう。
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