第六話 図書館の魔法書
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フランスでは入学式も卒業式も始業式も終業式もなく、初登校日もあっけらかんと普通に始まります。
「なん……だと……?!これが文化の差というやつか……」
「この後私は授業のスケジュール的な理由で一度フランスに戻らないといけないので、次はクラス分けの前日にまた迎えに来ます」
「前日ってことは7日に来るってことだね?」
「ええ、それぞれのクラス担任や専門教科の教師達と協力して授業日程を調整してようやく連休を用意したのですが、さすがにこれ以上休暇を取って戻らないと授業の進みが厳しいのでいそいで帰ります」
そうして会話が終わるとロッカーソンはフランス行きの飛行機の時間に合わせて帰っていった。
ロッカーソンが帰った後、暇つぶしにエメとほのかがチェスをやっていたら、魔法書を抱えたふみが起きて来た。
食事がまだのふみの為にロタロタが急いで食事の用意をする。
「おはよ〜」
「気が付いたのか。……大丈夫か?」
「……おはよう。……うん、大丈夫問題無い」
傍目には異常は見られない様子のふみが席に着くと机に食事が並ぶ。
「……ロタロタ。……ありがとう」
「いえいえ、とんでもない!!どうぞお召し上がりください」
ロタロタはあっという間に姿を消し、他のことをやりに行ってしまった。
ふみが食事を終えた後、エメたちは魔法書について聞いた。
ふみが魔法書に聞いた話では、ロタロタの話していた能力以外にも、人工知能の力を借りれば杖の代わりの触媒として魔法を放つことが出来たりなどもするらしい。
「ああ、昨日ロタロタが言っていた三番目のやつか。やっぱり便利そうだよなぁ」
少しだけふみがうらやましいエメだった。
とりあえずロッカーソンがこの魔法書に凄く強い関心を持っていたので、ふみが無事目覚めたことを伝えるついでに新しく分かった魔法書の情報を一緒に手紙に書いておくことにした。
「あれ、どうやって手紙を送ればいいんだろうか?」
手紙を書き終えた後で肝心な事に気が付いたエメ。
連絡手段が無く困っているエメに、申し訳無さそうにしてロタロタが声を掛ける。
「すみません、お伝えし忘れていた事が……」
アーロン家にはフクロウ小屋があり、そこで大量のフクロウを飼っている。
「ご主人様の父君と母君が飼っていらした白フクロウの子供や、先代当主様の飼っていらした縞フクロウの子孫などよりどりみどりで御座います」
小屋に行ってみると100を越える数のフクロウ達が気ままに動き回っていた。
さっそくその中の一匹に手紙を運ばせる。
手紙を受け取ったフクロウがロッカーソンのいるボーバトン魔法アカデミーを目指して飛んでいく。
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