第五話 英国の家
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が、そこはアーロン家クオリティー。あっさりと常識を覆す。
「いえ、方法が無いわけではないのですが……歴代アーロン家の方々には、実際に杖を持たずに魔法を使いこなしていた人もいらっしゃいますから」
杖を使わず魔法を使っているのは事実として過去に存在する。そこに至る道のりも、その手段も人それぞれだ。その原理を使えば、杖無しでも魔法を使うことは出来る。……が、どの手段にもデメリットは存在する。
「私が知っているのは3つです。
一つ目は人体改造によって使えるようにする方法。これは身体の造りを屋敷しもべ妖精に近づけたり、精神を弄る、薬品で魔力を体に馴染ませるなどの経過を経て、使えるようになります。時間も手間も非常に掛かる上に成功率は低いです。死亡する可能性もある為、お薦め出来ません。
二つ目は身体を切り開き、体内に杖を仕込む方法。特殊な手術で身体そのものを杖として使うことが出来るようになりますが、仕込んだ杖を壊されたり取り除かれたりすると効果を失います。気絶も許されない激痛に耐えれば、3つの中では1番威力が高いです。
三つ目は魔法書や魔法の指輪などの杖の代わりになるアイテムを使う方法。先二つと違い死亡する危険性が無く使うことが出来ます。しかし強いもの程、体や精神を乗っ取ろうとしてきます。3つの中で1番威力が低く、変な制約のあるものが多いですが、私のお薦めはこれです。
……気合いと元気があれば何でも出来ると言って、挑戦したらできちゃった人もいましたが……あれは例外ちゅうの例外ですね」
ハイリスク&ハイリターン、ローリスク&ローリターンというやつだ。危険度が高い方法ほど威力の高い魔法が使え、強くなれる。逆に危険度が低ければ使える魔法も万全ではないということだ。
唖然としていたロッカーソンが頭を痛そうに振ると、呆れを含んだ調子で言う。
「この調子だと不老不死も探せばあっさり見つかりそうですね」
「ありますよ?不老不死。三代程前の御当主が『不老不死?チョロいチョロいwww』とか言って開発していましたから……」
作った本人は「何が悲しくてこんな面白くもない世界にいつまでも束縛されてないといけないだ」と言って研究資料を全部地下の実験室に放り込んで埋めてしまい、さっさと死んでしまったらしいが……。
目を回してしまったロッカーソンを客室まで連れて行くため、ロタロタは一時、席を立つ。1人残ったエメは杖無し魔法のメリットとそこまでして欲しいかどうかという疑問について考えていた。
ロッカーソンを送り届けて戻ってきたロタロタは、案の定迷子になっていたほのかを連れていた。
ほのかをソファーに座らせたロタロタは、ホットミルクを用意してほのかに手渡す。
あれば便利だなと思っただけで、これから魔法を習うのだ
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