第五話 英国の家
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に動けと言わんばかりに、さっそく案内されていない場所の探検をしに部屋を飛び出していった。
貴重品もいろいろ飾ってあるので、勢い良く駆け回っているほのかにヒヤヒヤしているロタロタだが、危険度の高い場所は入れないように鍵を掛けてあるし、本当に大事な物は宝物庫にしまってある。たぶん迷子になるだろうから、後で迎えに行こうと考えて放っておく。
図書館を教えられたふみは話し合いよりそっちに興味を持ったらしく、新しい本の存在に目を輝かせてさっそく籠もってしまった。
室内は半無重力空間になっており、重力場が複数あった。
上下関係無く、縦横無尽に広がる本棚にぎっしりと詰め込まれた大量の本や資料たちにふみはすぐさま飛びついて片っ端から読みふけっていく。
移動の仕方にはコツが要り、しばらくはまともに動くことすら出来ない筈なのに、本を読みたいという欲望の為せる業か最初は少し戸惑ったもののあっさりとコツを掴んで本を片手に上手く行き来を繰り返してどんどんと本を読んでいく。
あまりにも夢中になって本を読んでいるので、「禁書のエリアには近づかないでください」とお願いしているロタロタの声が耳に入っていたかどうかはかなり怪しい。
「うん、うん──」と生返事を返してくるふみが本当に聞いているのか心配したロタロタが何度か繰り返して注意したところ、図書館からつまみ出されて中から鍵を掛けられてしまった。
禁書にさえ触れなければ問題は無いので、こっちも放っておくことにした。
さて、ようやくの本命。新たな主人となったエメと、屋敷しもべ妖精のロタロタ、そしてロッカーソンの3人での話し合いが始まった。
「で、結局ロタロタっていったい何なんだ?」
「屋敷しもべ妖精でございます。特定の魔法使いを自身の主人とし、その主人や家族に一生涯仕え、日常の家事や雑用などの労働奉仕を行うことを誉れとする者です。
屋敷しもべ妖精は隷従の証として、衣服の代わりに枕カバーやキッチンタオルなどの布を身に付けています。私であれば、このリボンですね」
ロタロタはポットを魔法で引き寄せると、紅茶を淹れて2人に差し出した。
「私たち屋敷しもべ妖精にとって、主人の命令は例えどのような内容であろうと絶対遵守です。何か御命令があるようでしたらなんなりとお申し付けください」
「そうだなぁ、じゃあ、今ロタロタがやったような魔法の使い方を教えてくれ」
その発言にロッカーソンは驚いた。
何と、杖を使わないで魔法を使いたいと言うのだ。驚きに口を開けるロッカーソンに気づかず、エメは続ける。
「何か、普通の魔法より応用力高そうだし、いちいち杖を使わなくて良いのも便利だしな」
「エ、エメ君!妖精と人間では身体の造りが……」
普通ならば常識的な発言なのだ
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