第三話 引越
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月日が経ち春休みに入ったある日、ロッカーソン・ヴェガが再びエメ達に会いに、屋敷へとやって来た。
「久し振りですねエメ君。それにほのかさんとふみさんも」
「お久しぶりです、ロッカーソンさん」
思っていたよりも早く訪れたロッカーソンに対して、何しに来たの?という顔をしていたエメだったが、どうやらほのかとふみを英国にあるエメの両親の家へ移住させるらしい。
「来るのなら前もって連絡が欲しかったのですが……」
「フクロウ便を何回か送りましたが、やはり届いていなかったようですね……」
エメの発言に対して、ロッカーソンは困ったように言う。実際にはロッカーソンはエメの家に何度かフクロウ便を飛ばしていたのだが、手紙を届けた後は決められた場所に戻って来るはずのフクロウ達が一匹も戻って来ないのに異常を感じて、こうして自ら赴いたのだ。
「ん?……フクロウなら来ましたよ?」
フクロウを心配するロッカーソンに意外な事実を告げるエメ。
「お兄ちゃんの仕掛けた、侵入者撃退用トラップに引っかかって、怪我しちゃってたんだよね〜。連れてこようか?」
「……ん。……連れてきた」
いつの間にかいなくなっていたふみが、タイミング良くフクロウの入った籠を3つ持って部屋に戻って来た。
「あれ?……では、手紙は?」
「たぶんトラップの性で落ちちゃったんじゃないかな〜?」
「……おそらく。……可能性としては、一番高い」
「……悪かった。こっちのミスが原因っぽい」
手紙が届かなかったのは、エメが仕掛けた侵入者撃退用トラップが原因だと判明した。
「それで……何でまた、引越なんて話に?」
「貴方の両親は有名でしてね。今まではマグルの地に住んでいたので子供がいるなんて存在すら知られてませんでしたが、もし存在を知ったらほのかさんやふみさんに矛先を向ける奴がいるかもしれませんから……」
何ともまぁ、物騒な話ではあるが、正直エメ達にとっては慣れた話だ。今までも強盗、誘拐、ストーカー、詐欺、脅迫、いくらでもそういうものはいた。そのたびに自分達で追い返してきたのだから。今更、土地を移す必要性を感じない。
「流石に魔法使いに対する防衛設備は無いでしょう?……この屋敷も大概ですが、英国にある家はもはや要塞ですから。後はあの家に住んでいる屋敷しもべ妖精と顔合わせさせる為でしょうか」
「「「屋敷しもべ妖精?」」」
「家事や雑用を始めとしたあらゆる仕事をこなす種族で、主の命令には逆らわない、仕事をする事が生きがいの連中ですよ」
「魔法界にはそんなのもいるんだな」
「……興味深い」
なんだかんだで結局引っ越すことになったエメ達は、さっさと荷造ろいを始める。
「お兄ちゃ〜
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