第三話 引越
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「本当だ。おーいヴェガ君!」
エメ達が辺りを見渡していると、少し離れた所にいた人達がロッカーソンを見つけて声を掛けて来た。
少し足早に向かうロッカーソンについて、エメ達も声を掛けて来た人達の元に向かう。
「お久しぶりです。ベカエール枢機卿、ダルマ司祭」
「最後に会ったのは、裁判の時以来だね」
「はい、その節は大層お世話になりました」
「構わないさ、我々聖職者も君たち魔法使いに恩を売っておくのは悪いことでは無いからね」
愉快そうに会話をしている枢機卿と他2人の会話を聞いて、ほのかがエメに質問する。
「お兄ちゃん、あの人達ってお偉いさん?」
「そうみたいだよ。右側に立ってワインを持っているのがベカエール枢機卿で、左側に立っているのがダルマ司祭というらしい」
しばらくロッカーソン達の会話が終わるのを待っていたら、枢機卿がエメ達について質問してきた。
「ところで、……その子達はいったい君とどういう関係だね?」
「今度ボーバトン魔法アカデミーに入る生徒とその妹達ですよ。少年の母親が“万能の魔女”神崎・ジャンヌ・グレゴリーだと言えば分かりますか?」
「……なる程、そういう事か。確かに元死喰い人であった君が適任だな」
「所詮は下っ端でしたけどね」
苦笑する3人。その後ろでは、エメがいくつかのセリフの意味が分からないので、理解しようとして、眉をしかめていた。
数時間掛けて乗客の全員と顔合わせをしたエメ達。
英国マグルの大商人や聖職者、高名な魔法使いなど様々な人がいた。
ほのかとふみが自室に寝に戻った後、エメはロッカーソンに疑問に思ったことを聞く。
「いろいろ分からないことはあるのですが、特に疑問に思ったことを教えてください。ベカエール枢機卿の様子から、フランスでは聖職者と魔法使いに強い繋がりを感じたのですが、何故ですか?」
「フランスは建国時から、聖職者と魔法使いと騎士や貴族が持ちつ持たれつでやって来たのが原因かな?
歴史書を見てくれれば分かるけど、レコンキスタの時代の王、カール大帝は魔法によって200年程延命していたし、甥であるローランは天使から聖剣デュランダルを与えられ騎士として活躍している。
百年戦争の時代には、神の祝福を受けたマグル生まれの魔女ジャンヌ・ダルクが騎士として活躍して、貴族に叙せられている。
現代でいうならば、闇払いの管轄は他国だと魔法省が行っているが、仏国では協会が行っている」
昔から他国に国内の中枢まで踏み荒らされたことが何度もあるのも原因の一つかもしれない。
飛行機は12時間半程飛び続け、ようやく英国に到着した。
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