第三話 引越
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ん!!学校はどうしよ〜?」
「どうしようも無いな。早めに手続きだけは終わらせないと……」
「……友達と、お別れをする間も無い……」
テキパキと荷物を纏めながら、あっちこっちで声が飛び交う。既に春休みに入っているので、連絡を知り合い全員にとることも難しく、諦める。
そこでロッカーソンが疑問を呟いた。
「あれ?保護者の方からは既に手続きは終わっていると聞いていたのですが……」
「頭越しに連絡をとるの止めてくれる?!こっちは何も聞いて無いんだけど!!」
ロッカーソンの呟きを聞いたエメが、悲鳴のような声で叫ぶ。いっさいの話も無く、知らないうちに決まっている状況には、ただただ驚くばかりだ。
◆◆◆◆◆
ロッカーソンが訪ねて来てから3日後。
「あっ!」
荷物を纏めて必要な物は全て英国に送った後、ロッカーソンが予約していた飛行機で英国に行くために飛行場へとやって来たエメ達だったが、突然ロッカーソンがまずそうな声を上げる。
「何?どうした、忘れ物でもしたか?」
エメが心配半分、面倒くささ半分でロッカーソンに尋ねる。
「今から行くのは英国なんですが、皆さんは英国の文化についてはどのくらい知っていますか?」
「問題無いぐらいには」
「問題ないね〜」
「……超、余裕〜」
「ですよね〜。やっぱり文化に慣れるには時間が……ああ、問題無いのならそれでいいです」
驚きを通り過ぎてむしろ普通に戻ったロッカーソンに、何を驚いているのか分からないエメ達。
エメ達の学校では海外交流が盛んなので、留学生もいっぱいいるし、それ専門の授業も存在する。そのため、生徒たちは最低でも3ヶ国以上の文化交流を学んでいた。そのような理由で、エメ達は3人とも英国の文化にはそこそこ詳しい方だった。
更にエメは、この1年かけてフランスの文化も学んでいた。
「そもそも、外を出歩くつもり無いし」
「引きこもり宣言ですかエメ君!?」
結局驚いたロッカーソンだが、何を今更といったところである。
カウンターで大きな荷物を預けると、英国行きの飛行機に乗り込む。部屋に入ると「出発する時に起こしてください」とだけ言って、ロッカーソンは備え付けてあったベッドで眠ってしまった。隣の部屋からやって来た2人とエメが声を潜めて会話する。
「これ、飛行機だよね?」
「俺の知っている飛行機と全然違うんだけど……」
「……金持ち用。……乗っているのも、十数人いるかいないか……」
「いくらぐらい何だろう?」
現在エメ達が乗っているのは、アリストクラリック号と呼ばれる金持ち専用の飛行機。
一階のメインデッキには広いバーや食堂などの
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