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ハリー・ポッターと蛇の道を行く騎士
第一章 原作開始前
第二話 引き継ぎ計画

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 ボーバトン魔法アカデミーに入学を決めたのはいいのだが、ここで急に忙しくなってしまった。
 日本と仏国では学校の始まる時期が違う。その為、空白の期間が出来上がってしまうのだ……が、そんなことはどうでもいい。問題は現在ついている役職の後任を4月までに育てないといけないのだ。
 地域の役割が4つ、学校の活動が3つ、市の役割はいなくなっても問題ないから後回し、クラス委員と係の人をサポートしてあげれる人を用意して、生徒会活動も次の会長に交代出来るように手回しでちゃんとして、先生の手伝いは……どうなんだろう?本来、自分でやるべきなんだから後任はいらないか。と、次々にスケジュールを立てて、必要な人材を考えるエメ。
 明らかに10歳の子がやるような内容ではないが、エメにとってはこれが普通の日常だ。
 幸いに、ボーバトン魔法アカデミーの入学案内が来た今はまだ9月。何故こんなに早くフライングして案内を出したのかとエメが聞くと、住んでいる地や家系的に、英国のホグワーツや日本の魔法学校にエメを取られないようにする為だった。
 呆れる内容ではあったが、もしもっと遅かったら引き継ぎが終わらなかったかもしれないので、エメにとっては幸いであった。

 夜も遅く、しばらくは忙しいのでとっとと帰れとロッカーソンを屋敷から叩き出すエメ。入学準備をしないといけないのでまた後日来いとだけ言って、扉を鼻先で閉める。
 どんな相手だろうが、用の無くなった他人を何時までも屋敷に居座らせる程お人好しでは無いエメだった。

 ロッカーソンを追い払って敷地の門を閉めた後、エメは伸びをすると、欠伸をしながら屋敷へ入り鍵をかける。
 そういえば途中からほのかが、静かだったの思いながら居間へと戻ると、ソファーで丸くなって寝ていた。
 そこへ丁度ふみが毛布を持って入って来て、ほのかにかける。エメの方に振り返ると食器を片付けたと告げる。

「……寝る。……お休み」

「おやすみ〜」


◆◆◆◆◆


 次の日から怒涛の勢いで引き継ぎ計画が実施され始めた。

 生徒会長権限で一時間目を臨時の生徒集会に変更してもらい、来年から転校することを告げる。
 ざわめきが大きい中で、徐々に引き継ぎの教育が始まっていった。
 一週間もすると、エメのリーダーシップと的確な指示の下、落ち着きを取り戻していった。

「運動会では───」

「テストの時は───」

「地震があったら───」

「防災訓練時に───」

「地域の活動について───」

 自分の行って来た活動の一つ一つにリーダーを用意して教育をする。
 名門校故に、物覚えは早かったが、それでもやることはまだまだいっぱいある。


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