第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
五十三話 緋色の宵 後編
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合流しないといけな「呼んだかしらお兄様?」
虚空は言葉を遮る形で現れた永琳に視線を向ける。服の所々は多少ボロボロになってはいるが怪我等はないようで胸を撫で下ろした。
「良かった怪我は無いみたいだね」
「えぇ心配してくれてありがとうお兄様」
永琳は虚空に向け笑顔でそう言うが、傍らにいる紫に向ける視線は鋭い刃の様だった。
「それでお兄様?その穢れは何なのかしら?」
「“お兄様”?一体誰なのお父様?」
紫の“お父様”と言う言葉に永琳の視線の鋭さを増す。その様子に、
「え〜と……時間が惜しいから移動しながら説明するよ。紫、スキマをお願い」
虚空は少々困り顔で紫にそう頼み、紫は永琳を横目で見ながらスキマを開いた。
神が坐さぬ人の繁栄の象徴であった都は妖怪の手によって灰塵へと変わり、栄光を糧に燃え盛る焔から生まれる黒煙は大戦を告げる狼煙の様に夜空へと立ち上っていた。
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