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魔法少女リリカルなのはstrikers――六課の鷹――
プロローグ&第一話
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 これはずっと前のことだ。
 もう何年前のことだろう。あまりに昔のことでよく思い出せない……。しかし、愛用していた戦闘機の上で、誰かと談笑していて、温かい気持ちになるのを感じる。そこにいるのは……そう、先代だった。ホークが子供の頃から、尊敬していた一人だ。
「……先代……俺は……」
 
 額に何か冷たいものを感じて、ホークは目が覚める。背中に感じた感触は布団。どうやら、医務室に運ばれたみたいだ。ホークはすぐに思い出した。シグナムと剣の打ち合いをしていて、その最中に気絶したのだと。
 ホークが体を起こすと、水を含んだタオルが額からずり落ちる。タオルを手にとってあたりを見渡すと、辺りは外の景色を感じない物だった。
「シャマル……俺は……」
「あ、ホーク。気が付いた?」
 シャマルは笑顔で振り返る。その笑顔は、ホークの不安を少しでも和らげようとしていた
「大丈夫?」とシャマルが心配そうに聞く。
 まだ少し頭がぼんやりしているが、気にするほどでもないだろうと感じたホークはすぐに「大丈夫だ」とすぐに短く返事をした。
「シグナムもあそこまで本気で殴ることない、と思ったんだけど」とシャマルが愚痴を漏らす。
「あの程度で音を上げているようでは、傭兵としても剣士としても戦場で生きていくことなどできん。それよりも、八神達はどうした?」
「そうだ、なのはちゃんとはやてちゃんから伝言があるわ」とシャマル。「高町と八神からか?」
「ええ。“魔力無しで自分の身体能力による、ごり押しっていうのは減点対象。今は何もなくても、いずれ体に負担がでるよ。まあそういった点も、六課に入ってから改めて教えていくからね”って。はやてちゃんからは“あんたは三等士からになると思われる。細かいことはまた改めてってことで。今日は色々とあったから疲れたろ? 今日は解散して、ゆっくり休んどき。明日、隊舎の中を誰かに案内説明させる”と言っていたわ」
「了解した。俺の方も少し、話があったのだが……」とホークはシグナムに負けたことが悔しいのか、顔を少しばかり歪めながら言う。
「話?」と疑問を投じるシャマル
「数分で終わることだがな。俺のもう一つの戦闘スタイルだ。それは両手剣フォームではないし、今回みたいな戦闘スタイルではない。あそこにいた全員には、その別のフォームも見て貰いたい」
「そういうこと……。ちょっと待ってて。隊長室にいるはやてちゃんと連絡を取るわ」
 シャマルは、ホークの頼みを聞くためはやてを呼び出す。しばらくしてシャマルの前にウィンドウ画面が展開し、はやての顔が映しだされた。
「ん? なんや、シャマル。なんか報告か?』
「えっと……実は今、ホークが話をしたいって。大丈夫かな?」
「了解や。隊長室に通してあげて」
 シグナムとホークは共に医務室を出て、隊長室に
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