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魔法少女リリカルなのはstrikers――六課の鷹――
プロローグ&第一話
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仰向けに倒れてしまう。
「どうしたネヴィル? この程度なのか?」
「こんな程度で終わっていいのか?」、「お前はその程度の実力では無いはず」という口調を含めて、シグナムはホークのファーストネームを呼ぶ。当然、と言わんばかりに青年、ホーク・ネヴィルは立ち上がった。
「こんな程度で、音を上げるとでも思っているのか? シグナム、あんたに勝てない事ぐらい分かっている。だが、一太刀だけでも報いるつもりなんだけどな」とホークは剣を構えシグナムを見据える。
「ふっ、そうこなくてはな。さあ、構えろ!」
 その後もホークは全力で力任せに剣を振るが、シグナムに全く攻撃が決まらない。渾身の一撃も、あっさりとレヴァンティンに受け止められてしまった。
「ちっ……。ならば!」
 二回ほどバック転でシグナムと距離を取る。体勢を立て直し、シグナムに剣の刃を向ける。デバイスの両手剣を高く廻し投げ、ホーク自らも跳躍して剣を掴み、シグナムに一直線に向かいながら回転して斬り下ろす。
「烈! 風!」
 先程の打ち合いから――、大方ではあるが、ホークの剣筋が分かって来たので、シグナムは受け止めずにその場から退いた。
「流石だな……。殆どの相手は、この攻撃を捌ききれると判断して、受けにかかるのだがそれを避けるとは」
「空中からの重力加速度で勢いをつけ、相手の防御ごと斬り抜ける。否、斬るというより叩き潰すという表現が適しているな。華奢な体型と舐めてかかって痛い目を見て来たのだろう」と予想するシグナム。
「ああ……ビンゴだ。捌き切るので精一杯だったから苦し紛れに放ったが……」
 事実、ホークは致命傷を避けてはいるものの、バリアジャケットの部分が所々、切り裂かれている状態だ。
「これだけの腕力だ。落下速度による力の増加、魔力による強化を施されれば、並の防御魔法では防ぎきれずに致命傷になる」
「そうだ。わずか、短時間でここまで分析するとは。だが、あんたには通じなかった。続けるぞ、シグナム」
「ああ。今度は私から行くぞ!」
 恐ろしい速度でシグナムの刃が迫る。バリアジャケットが切り裂かれようと、自分が痛い思いをしようと、せめて一矢報いることを考えるホーク。受けても、受けても、受けても、後ろに下がることはせず、根性で耐えて付け入る隙を見つけようとしていた。
「だぁーっ!!」
 シグナムに付け入る隙を見つけたと思ったホークは見逃さない。「もらった」と言わんばかりに、両手剣を思い切り振りおろす。だがシグナムの反応は早かった。瞬時に攻撃をかわし、その勢いを殺さぬまま無防備なホークの背中に、強烈な打撃をお見舞いする。
「うっ、ぐあっ……」
 ホークは大きく吹っ飛ばされ、気を失った。
「ホーク? ホーク!!」と医務官のシャマルは叫びつつ、駆けつける。
 
 ホークは夢を、見ていた
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