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寄生捕喰者とツインテール
黒の訪れ、黄の訪れ
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てもいい! 頼むは一時の恥、頼まぬは一生の貧乳よ!!」


『ネーヨ、んな言葉』
「以下同文……」


 何時もの楽天家口調がぶっ飛び、聞こえないと分かっていようがツッコミを抑え切れなかったか、鋭い声色でつぶやくラースにグラトニーが同意する。

 割と真剣に悩んでいるのか唸り声を上げる会長は、やがて結論を出し静かに告げ始めた。


「すみません津辺さん。このテイルブレスは観束くんの手により託された、大切な証そのもの。例え仲間の頼みとあっても、これをお譲りする訳にはいきませんわ」
「そう、如何あっても譲る気は無いの……手放せないくらい、おっぱいが大事だって言うのね……もういいわ、これだけ頼んでもダメなら―――」


 突如として強い属性力の溢れをグラトニーが感じ取ったかともうと、ジャキン! と高らかな金属音が聞こえ、総二の焦燥に駆られた声や、またトバッチリを喰らったトゥアールの苦悶と悲鳴、そして桜川教員の場違いな関心を込めた台詞が、次から次へと聞こえてくる。


『変身しやがっタヨ、津辺の嬢ちャン。何が何でも奪い取る気ヤネ』
「凄まじい……乳への執念」


 割と的を射た台詞をグラトニーは紡ぐ。

 総二がアタフタしているその間にも、状況は留まる事なく先へ先へと進んでいく。


「会長……私と会長は似ているのよ? ……あなたはヒーローを求め、私はおっぱいを求めた。ならば真の巨乳足り得るのは誰なのか……己が力を全て掛け、争い合うしかないのよ!!」
「フフッ……私への挑戦、と言う事ですわね?」


 会長はどうも言葉の雰囲気と状況に酔っているのか、どれだけ脳内で繰り返しても意味もつながりも、意図すらも分からない台詞を疑問に思うことなく、寧ろ挑発する形で彼女から言葉を投げつけた。

 恐らくは満場一致で託されたものを、私利私欲でかっぱらおうとしているだけなのに。


 正にいろいろな意味で万事休す。
この後滅茶苦茶に蹂躙し、奪い取ったブレスをつけて変身できないと喚き続けるであろう、最悪の結末となるのか。

流石にまずいかとグラトニーにテレポートによる裏技を提示し、割り込んで一旦おさめようとした時……そこで運が味方したか、エレメリアン出現のアラートが鳴り響いた。


「一時休戦、ね。今はエレメリアンに集中しましょう」
「フフッ、私の初陣……テイルイエローの力を見せてやりますわ!」
「だらしなかったら、即座にその座を降りて、乳をもらうからね?」
「大丈夫です。今日は負ける気がしませんわ」
「そういう奴に限って、その乳を渡す羽目となるのよ」


 そこまで巨乳にこだわるのかと、グラトニーが目を閉じ背中からガックリ項垂れ、ラースも肉体が存在していたなら、中間管理職なサラリーマ
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