6部分:第六章
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た。しかしだった。
メッテルニヒはそれをなのだった。この会議で取り戻しそのうえでなのだった。
「逆に多くのものを得なければな」
「その為にもですね」
「この会議から我々は欧州のバランサーになり」
「そのうえで多くのものを得て」
「そうですね」
「その通りだ。このまま踊ってもらう」
会議においてだ。
「そして色々話してもらおう」
「その話したことを聞きそのうえで」
「我々は動く」
「そうしていきましょう」
こんな話をしてだ。オーストリアは舞台を提供している国の旨味を思う存分活用しようとしていて実際にそうしていたのだった。
とにかく各国が各国であれこれと動き話してだ。華やかな舞台の中で踊っていた。会議は踊りだ。中々進まない状況だった。
だがそれはだ。急に終わったのだった。
彼等にとって、いや欧州全土にとってまさに寝耳の水の事態が起こったのだ。それは。
「な、何っ!?」
「ナポレオンがエルバ島を脱出して!?」
「フランスに向かっているだと」
「まさか」
誰もが信じなかった。しかしだ。
それは事実だった。ナポレオンは実際にフランスに向かっていた。それを確めてだ。
ウィーンは騒然となった。舞踏会の場に爆弾が投げ込まれた。
「そんな、それではだ」
「我が国はどうなるのだ!?」
「我が国も」
「あの男が戻って来たら」
「嵐が起こるぞ」
ナポレオンはまさに風雲児であった。その彼が戻って来るとわかってだ。
誰もがだ。どうすべきか焦ってだ。そしてだった。
「ここはどうされますか!?」
「このままではあの男がフランスに戻りです」
「また皇帝になります」
「そうなれば」
「また同じではないですか」
その通りだった。ナポレオンを放置することは絶対にできなかった。それでだ。
彼等はだ。ここはだった。
とりあえず話を半ば強引にまとめてだ。それからだった。
それぞれの国に慌しく戻り。ナポレオンに備えることにした。その中で誰もいなくなったウィーンでだ。メッテルニヒは言うのだった。
「では我が国もだ」
「はい、ナポレオンに対してですね」
「備えますか」
「あの男を何とかしなければどうにもならない」
オーストリアにとってもだ。ナポレオンは忌むべき相手だ。それならばだった。
すぐに何とかしなければならない。具体的には軍を動員することだった。
「全軍を挙げてだ」
「そしてそのうえで」
「今度こそあの男の息を止めましょう」
「そうするぞ。絶対にだ」
こうしてだ。ウィーン会議は中断されてだ。後に残ったのは。
様々なものが散乱したままの宴の場だった。食べ残しもあれば汚れたテーブルかけに火が消えたキャンドル、それにソースが拭かれていない皿やまだワインが残っているグラス、
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