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扇の香り
第一章
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それでもだというのだ。
「今は」
「わかりました、しかし」
「女性を楽しめる余裕が出来ればですね」
「是非私にお声をかけて下さい」
 タレーランは男爵のまだ幼さが残るがそれでも端整な、鳶色の目が澄んでいて役者の様に整っている顔を見て言った、貴族の髪型、白い鬘のそれも似合っている彼をだ。
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