もう一つの運命編
第10話 黒影・真vsロシュオ!
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ら、どんな困難だって乗り越えていける”
(トモだって今、ヘキサを取り戻すために、きっと戦ってる。俺もトモも独りじゃない)
斬鉄剣が降り抜かれる。間違いなく黒影・真を袈裟切りにする軌道で。それを彼は避けられない。わずかながら戦いに触れた身だから、分かった。
黒影・真はコンプレッサーを乱暴に3回押し込んだ。
《 マツボックリエナジースパーキング 》
『おおおおおおおお――ッッ!!!!』
黒いソニックブームを限界までまとった3つの穂先を、ロシュオへ一直線に突き出し――
膝を突いたロシュオは、黒い戦士がくり出した刺突によって体の中心に負った傷に、手を当てた。
知恵の実さえあれば即時再生は可能だ。だが、ロシュオはすぐに彼の妻のもとに戻ることはしなかった。
――おそらく妻もまた、あの少女によって黄金の果実を失っているだろう。
そう思い描くことに、抵抗は少なかった。
何故だろうかとロシュオは自身の考えに思いを致し、簡単に答えを見つけた。
ロシュオはただ逢いたかっただけだ。愛する妻に。愛したただ一人の彼女に。滅びてしまう前に。
その願いは果たされた。
例え短い時間でも、遠い昔のように隣同士に在ることができた。
それだけでロシュオという男は満足してしまった。
負った傷は再生を始めている。黄金の果実がない身では、比較にならない遅さで。この傷によってロシュオが死ぬことはない。
どれくらいそこで膝を突いていただろうか。
(フェムシンムの長として、最後の役目を果たす時が来たようだ)
ロシュオは新たな招かざる客の気配を二つ感じ、立ち上がった。
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