暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜黒の剣士と神速の剣士〜
SAO:アインクラッド
第5話 西の森の洞窟で
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が洞窟から放たれる異様な雰囲気に一瞬足が止まる。

「だ、大丈夫だよ、きっと。たかがゲームじゃない」

自分にそう言い聞かせて洞窟の中に入っていく。
昼間でも洞窟の中はとても暗かった。

「暗いし臭いしどうなってるの、もう」

愚痴をこぼしながら進んでいるとグニッと柔らかい感触が手に伝わった。

「ぐに?なにこれ?まだ全然進んでないのに」

一歩下がって顔を上げると、上の方にカーソルが表示される。
そして壁と思っていた何かが姿を現わす。
今更ながらそれがモンスターだということに気付いた。
だが気付いた時には私の体は宙を舞っていた。
洞窟の外まで飛ばされ、地面に叩きつけられる。
そのまま数回バウンドして俯いた状態で止まった。

……なにこれ?……どうなっているの?

体が動かず立つことすら出来なかった。
反射的にHPゲージを確認する。
HPはあと1割しか残っていなかった。
その時目の前からドスッという重い音が聞こえた。
顔を少し動かし目線を上げるとすぐそこにさっきのモンスターが立っていた。
息を荒げ、口からは唾を垂らし、手には棍棒が握られていた。
それを視認した途端、死の恐怖が全身を襲った。
体が震え、力がだんだん抜けていく。
モンスターはゆっくりと棍棒を振り上げる。
でも私は逃げることも、声を出すことも出来ずにただただそれを見つめることしかで来なかった。
モンスターが棍棒を振り下ろす直前に走馬灯の様なものが頭をよぎった。

……あぁ、こんな事ならお姉ちゃんと喧嘩しなきゃよかったなぁ
ごめんね、お姉ちゃん

心の中で何処かで戦っているお姉ちゃんに謝り、私は目を瞑った。

「アルゴ??そいつを安全な所へ??」

「わかってるヨ??」

だが、目を瞑る直前に男の人と女の人の声が響いた。
その直後、頭の上でガキィィィン!と何かがぶつかり合う音が響く。
何が起きたかわからず呆然としていると誰かに何かを口に突っ込まれ、そのあと引きずられる様にモンスターから離される。
モンスターの方を見ると男の子がモンスターと戦っていた。
後ろを見るとフードを被っている女の人が必死に私を運んでいた。
女の人は近くの岩まで運ぶと私を岩に寄りかかる様に座らせると、岩の上に座り込んだ。
視線をモンスターの方へ戻すとすでに戦闘は終わっていて、ポリゴンの欠片が宙を舞っていた。

「少し中を調べてくる」

白髪の男の子はそう言って洞窟の中へ入っていった。




丁度10分たった頃に白髪の男の子が洞窟から出てきた。

「どうだっタ?カー坊」

「残念ながら隠しログアウトスポットなんてなかったよ」

「そうカ。調査助かるヨ、カー坊」

「これでさっきのはチャラだからな」

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