2ndA‘s編
第十八話〜立つは誰がために〜
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なるのはおかしいと考えたライは、仰向けのまま身体の感覚を確かめていく。
足を軽く動かす。脛の辺りがひどく痛むが膝を曲げることができる。
「?……ぁ」
次に胴体を確かめようと、自身にかけられているシーツをまくろうとしてその違和感に気付く。
(左腕は…………)
自身の離脱の為に切り捨てた今はない箇所に視線を向けようとするが、体勢的に難しかった為にまずは起き上がることを優先した。
「ん…………っぅ」
体を横に倒し、自身が乗っているベッドの淵に座るようにして体を起こす。
「はぁ……はぁ……」
たったそれだけの動作に身体の節々が痛みという悲鳴を上げ、まるでフルマラソンをした後のように息が上がる。
それでもなんとかバランスをとり、座った状態を維持すると自身の体を視覚的に確認していく。
「…………うわ」
思わずと言った風に呆れた声が漏れた。
身体の大半は包帯を巻かれ、今皮膚が見えるのは顔の一部と脚の先ぐらいでそれ以外は真っ白。そして残った右腕で頭を触るとそこにも包帯が巻かれていた。しかも所々にうっすらと血が滲んでおり、見た目がひどく痛々しい。
下着こそ履かされてはいたが、身体のほとんどの部分を包帯とガーゼで覆われておりある種の服のようになっている。
そんなぼろぼろになった自身に呆れながらも、辺りに視線を向けると自身が着ていたアッシュフォード学園の制服のスラックスとYシャツが綺麗に折りたたまれて置いてあるのを見つける。ベッドの傍に置かれたそれに手を伸ばし、のそのそと、しかし今できる最速の速さでそれを身につける。
「蒼月とパラディンは…………ない、か」
片腕の着衣に四苦八苦しながらもスラックスはしっかり履くことができたが、Yシャツは腕を通しただけになった。
そして着衣という重労働を終えたライは、手でスラックスのポケットを、そして視線で部屋に備え付けの机を軽く捜索し自身のデバイスが無い事を確認する。
そこでライは自分にしかできない捜索方法を行い始める。
「…………っ」
蒼月とパラディンという存在をCの世界経由で認識し、それを把握する。この方法はゆりかごで彼がクアットロを探し出したのと同じ要領だ。ただ今回は、ライと二機自体がCの世界を通して強い繋がりが存在しているため、あの時よりも簡単に見つけることができる。
しかし二機の補助がない為、ノイズのような痛みが走るがそれは歯を食いしばり耐える。
その痛みに耐えながら把握を続けると、二機が今アースラのシステムに接続されていることを知る。
それを一瞬訝しんだが、とにかく現状を知りたいライはある秘匿回線をつなげる。
念話に近いそれはCの世界の繋がりを持っているからこそできる手段で、今現在最も信用できる
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