sts 10 「夜のひと時」
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なのだから。
ただ今の口ぶりからするとショウさんの叔母さんは今もご健在なのだろう。同じような痛みの経験はあるけど、天涯孤独の私とは違う。
だからといって羨ましく思ったりはしない。そんなことしても意味がないのは理解しているし、私以上に不幸な人間が居ることは管理局で仕事していれば何度も耳に届くのだから。
そこから少し無言になってしまったけれど、先ほどまでと違ってそれほど気まずさは感じない。似たような過去があると分かったことで、わずかばかりだが距離が縮まったのだろうか。
……って、私とこの人じゃ才能が違い過ぎるでしょ。同じように考えたらダメじゃない。比較してしまったときに傷つくのは自分なんだし。
「…………ショウさんは凄いですよね。一流のメカニックであるのと同時に魔導師で、精神的な部分も強くて」
「まあ……お前より長生きしてるからな。たった数年でもその分の失敗とそこから学んだことがあるし」
「失敗って……あまり失敗してきたようには見えないんですけど」
「俺はお前が思ってるほど才能を持った人間でもなければ器用な人間でもないさ」
笑いながらそう言ったショウさんは、最初はデバイスのフォローなしではろくに魔法を使えなかったこと。これまでにしてきた失敗。地道に練習を重ねて、上手い人間に教えを請うことで上達したことを語ってくれた。
私は自分と他人は違う。だから自分の力で上達するしかない、といったように思っていたので上手い人に教えを請うことはあまりなかったけど、ショウさんの語ってくれた内容は共感できるものが多かった。
「昔は周囲の人間に劣等感を感じたり妬んだりしたこともある。それが元になったり、変な意地を張って無茶な練習をしたこともな」
「本当ですか?」
「ああ、信じられないなら今度証人に会わせてやるよ。そいつからは思いっきり平手打ちされたから、あっちも忘れてはないだろう」
え……私から見てショウさんは平手打ちされるようなキャラには見えないんですけど。なのはさん達も性格的にそんなことするとは思えないし、いったい誰にそんなことされたんですか。ショウさんにそんなことできる人なんてそうそういないと思うんですけど。
「あぁちなみに、そのときに俺はそいつからお前は周囲の人間と比べて才能がないとかも言われた……まあ周囲の人間が人間だけに何も言えなかったわけだが」
「えっと……そうですね」
冷静に考えてみると、ショウさんの周囲の人間ってなのはさんだとかフェイト隊長だったのよね。大分前から高ランク魔導師として有名だったわけし、私よりも厳しい環境に居た気が……。スバルやエリオ達も才能はあるけど、なのはさん達と比べるとまだ身近に思えるし。
「けど……俺はそいつのおかげで怪我をする前に止まることが出来たし、気持ち的に前に
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