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リリなのinボクらの太陽サーガ
殲滅
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前に教主が説明していましたけど、彼はむしろ面白そうに笑っていました。多分、魔導師の事を手品師か奇術師とでも思っているのでしょう]

「まぁ、彼も人間だ。時には間違える事もある」

[……そうですね]

「とにかく、これから俺は屋敷内に突入する。魔導師が相手なら俺の方が好都合……ッ!?」

急に屋敷の向こう側から巨大な鼓動が聞こえた気がしたため、咄嗟に暗黒剣を抜いて警戒する。背筋に冷たい汗が流れる中、次第に地面がゆっくり振動し、周囲に嵐のような突風が巻き起こる。

「この気配……かなりの重量物体が近づいてきている?」

[どうやら……アレが動き出したようですね]

「アレ? アレとは何だ?」

突風と轟音を起こしている原因に見当が付いているシュテルに尋ねた次の瞬間……屋敷の裏から、その正体が現れた。

“ハインドD”……武装ヘリだった。

黒い鋼鉄で形作られた、爆音を響かせて空を飛ぶ物体を前に、俺はたまらずため息をつく。アレを相手に人間が戦うには最低限地対空ミサイル一式が必要なのだが、こっちの武器は暗黒剣の他には麻酔銃と狙撃銃しかない。それにスティンガーもRPG-7もこの辺りには無い。つまりアレが戦闘態勢に入ってしまえば、勝利は限りなく薄くなる。

「おい、シュテル。あんなのがあるなんて聞いてないぞ?」

[何も心配しなくても大丈夫ですよ、教主。あのヘリには潜入時に仕掛けを施してあります]

「仕掛け?」

[はい。ひとまず屋敷の中庭にある噴水へ向かって下さい]

「屋敷の中庭だな? 了解した」

何か策を用意していたシュテルに目的を聞いた直後、攻撃準備が整ったハインドDからミサイルとガトリング砲が連射される。地面を耕すかの如く撃ちまくる銃撃を暗黒剣で防いだり、ミサイルをゼロシフトでかわしたりしながら、とにかく屋敷内へ向けて駆け抜ける。月光魔法の使用に関しては、さっきの戦いで節約していたおかげでエナジーに十分余裕がある。ヘリからの射撃の命中率が意外に高くて、ゼロシフトの使用頻度が意外に多くなったものの、屋敷の扉に飛び込んで強引にぶち破り、中に入る事に成功した。

[流石に屋敷には攻撃してこないようですね]

「普通は自分達の拠点を自ら吹き飛ばす事はしないだろう。それより……」

[予想した通りですね。情けも容赦も一切かけずにサムはことごとく敵を斬り捨てて行ったようです。部屋中に血が飛び散っていて、色んな意味で刺激が強すぎます]

「ああ、死体がそこかしこに転がっている光景は、幼いあいつらが見てしまったらトラウマものだろう。そもそもサムには手加減する理由が無い。サムと遭遇してしまった連中は運が悪かったとしか言えん」

[そう考えると入り口で教主に倒されて捕まった連中は、むしろ運が
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