殲滅
[4/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
言葉にするのは簡単でも実際にやるとなると、死地に自ら入るという精神的プレッシャーが大きいものだ。
しかし戦場を見極めている俺にとっては無意味だ。精神統一、一刀両断、覚えたての剣術を今……解き放つッ!
「この人数を相手に正面から向かってくるとは、愚かにも程が……程が……う、うわぁああああ!」
「メーデー! メーデー! こちら正門警備隊! 敵の侵入を喰い止められない、応援を要請する!」
「ちくしょう……たかがガキ一人相手にこの体たらくか……!」
「もうだめだぁ、おしまいだぁ……!」
敵陣に吶喊した俺はとにかく敵を斬っては遥か彼方の空へぶっ飛ばしていく。そのあまりに人間離れした光景に、他の連中は怖気づいていく。そうなると、恐怖を抱いて腰を抜かしたりする者もいれば、屋敷内に向かって助けを求めたり、逃げ出そうとする者もいる。だが敷地内から逃げようとした連中は優先的に潰し、奴らが袋小路に追い込まれていると見せ付ける事で、心情的に降伏を促しておく。
違いはあれど武器を振るう者として、心構えておかなければならない。やったらやられる事も想定しておくのが、一流の戦士なのだ。奴らはこれまで多くの人間を散々食い物にしてきた。だがこの夜、狩る者が一転して狩られる者へと変化した。そして今の狩る者は……俺だ!
「風精刀気―宴―!」
風の唄
散り逝く者の
鎮魂歌
爆発的な踏み込みと超人的な速度から放たれる居合い。それに吹っ飛ばされた敵は地面に叩き付けられ、伸びて気を失うのだった。当たり所が悪ければ後遺症が残るかもしれんが、手を汚す事を躊躇っていては、いつか失いたくないものまで失ってしまう。故に俺はいつの間にか躊躇していた自分を変える……いや、戦士として生きていた頃に戻すためにホドリゲス新陰流を身に付けたのだ。
反撃開始から気持ち的に30分ぐらいすると、あらゆる場所に俺が倒した敵の身体が転がり、どこか無双じみた雰囲気が俺の周りに漂う。そして屋敷内との連絡がつかなくなっている事実が末端の連中にも知れ渡り、抵抗したら逆に身を滅ぼすと自覚した連中は観念して攻撃を止め、銃を捨てて降伏した。
[銃で武装した敵40人を無傷かつ短時間で無力化ですか。たった一人で、しかも全員殺さずに捕えるとは……流石私達の教主ですね。惚れ惚れします]
「殺さずに済んだのは運が良かっただけだ、人を斬った事に変わりはない。それと、まだ全部終わってない。屋外の敵は片付けたが、サムの方が上手くいったか確かめに行かねばならん」
[そういえばあちらにはリーダーの魔導師がいるんでしたね。しかしいくら強力な魔導師でも、あのサムに勝てるとは思えませんが……]
「だが万が一でも逃げられた可能性がある。サムは魔法の強さを知らないからな……」
[事
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ