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リリなのinボクらの太陽サーガ
殲滅
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ん尽くすタイプですから]

「なんか大地の巫女を思い出すが……まぁいいか」

精神内で無表情ながらに胸を張るシュテルの器用な行動を見ると、何となく肩の力が抜ける。ちなみにレヴィとディアーチェは、俺の負担を可能な限り軽減しようと気遣って今は眠っている。以前は3人全員を召喚していたが、維持に使う月光仔の力の消費が激しくて、あまり長時間顕現させられなかった。そこで対応策として召喚していない間、彼女達にそれぞれ月光仔の力を蓄えさせる事で、顕現できる時間を延ばせるようにした。要は充電器を持たせたようなものなんだが、供給源が俺だけだから3人まとめてチャージさせると当然時間がかかる。
しかし今のレヴィとディアーチェのように眠っていれば充電も早くできる上、起きている面子に自分の回復量を分け与える事が出来る。それで今はシュテルに二人分の回復量が送られているため、今の所彼女に蓄えられた月光仔の力はそれなりの量になっている。あと充電する事によって生まれた利点がもう一つあるのだが、それは追々な?

とにかく俺は闇夜に包まれた街を進み、屋敷の正門へ着いた。屋敷の雰囲気はどことなく死灰の街にあった建物に似ており、そこまで広くはなさそうだったが、何の気配も無く俺が見張りを倒していきなり突撃した事で連中はパニックに陥る。
とりあえず最初に迎撃に出て来た連中を不意打ち気味に叩きのめすと、監視カメラで見られていたのか敷地内に異常を知らせる警報が鳴り響いた。

「やれやれ、敵も中々それっぽい雰囲気を出してくれるじゃないか」

何となしにぼやいた俺に、麻薬カルテルの連中は容赦なく銃撃してきている。取引前で人員が集まり油断していた奴らが、こうして焦っている様子を見て、俺はどことなくほくそ笑む。想定通りにわらわらと武装した連中が迎撃に出て来たため、こうして敵の目を引き付ける事に成功した訳だ。

[正面からやってきて、いきなり大立ち回りすれば向こうも必死になりますよ、普通]

銃弾が頬を掠める緊張感漂う状況の中、シュテルが呆れたように呟く。しかし彼女もこの緊張感を楽しんでいる気がする。何だかんだでシュテルも戦士の魂を持っているようだ。

「ま、そうなるように仕向けてるしな。それよりそろそろ10分経ったか?」

[ええ、屋敷内で複数の発砲音と金属音が聞こえます。恐らくはサムと敵組織の戦闘によるものでしょう]

「そうか。なら状況も整った事で、反撃に移るとしよう」

瞬間、物陰から飛び出た俺は敵集団の中心に突撃する。銃弾はサムとの修業のおかげでゼロシフトを使わずともかわし続けられるため、エナジーの節約という意味でも月光魔法は使っていない。そして少数側が集団の中心に入り込まれると多数側は同士討ちを防ぐために攻撃の手を緩めざるを得ない。一対多における戦法なのだが、
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