殲滅
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きた。そもそも激戦中に会話出来る辺り、俺達の異常さが際立っているが……まあいい。ともあれ逆転の手札はそろった、いい加減滅却してやるぞ、セルゲイ・アンデッド!
暗黒剣に力を溜めて強烈な一撃を変異体にぶち込み、続けてサムもチャージして高速の斬撃を放つ。あまりの威力で部屋の奥に吹っ飛ばされる変異体だが、連続で強力な攻撃を受けたにも関わらず、魔法障壁は未だに健在だった。そこにゆっくりとシュテルは自らのデバイス、“ルシフェリオン”の先端を向ける。
「胸の炎が私に告げています。あなたには焼却炉の炎すら生温い、ムスペルヘイムの如き煉獄の炎であなたの肉体を一切合切微塵も残さずこの世から消し去れと」
シュテルがゆっくり語る度に、ルシフェリオンに凄まじい濃度の魔力が凝縮されていく。それはまるでなのはの十八番である集束砲撃、その前兆そのものだった。
「運命の巡り会わせで教主の力を注がれた事で、私はより高みへと昇って行けました。私の炎熱であなたの屍を滅却して、それを証明してみせます」
カートリッジを2発ロードしたシュテルは、集束した赤い魔力に淡い白色の光を纏わせていく。その優しい光は彼女達マテリアルが新たに使えるようになったルナ属性……魔法だけでは倒せないアンデッドを倒すために必要となるエナジーの力。
「奔れ赤星、全てを焼き消す炎と変われ! 真・ルシフェリオンブレイカー!!」
直後、デバイスから放たれた視界を覆い尽くす炎の濁流が、変異体を文字通り飲み込む。灼熱の業火は敵ごと壁を貫き、リオ・デ・ジャネイロの夜闇の中に一筋の赤い流星を発生させた。
「ヒュ〜! こりゃあ爽快だねぇ」
「そうだな。しかし……」
赤い光の奔流が衰えていき、消えた瞬間、俺はすぐさま飛び出した。直後、砲撃体勢で技後硬直中のシュテルに向かって鈍色に輝く金属が飛翔してくる。それは元々ミハエルの刀であった変異剣の破片だった。咄嗟に反応できず、驚愕で目を見開くシュテル。
「(しまった、避けられないッ!)」
―――ズシャァッ!!
肉を貫く音が響き、その刃が自分の柔肌に突き刺さった光景を幻視するシュテル。だが、彼女の体に痛みは無かった。理由は至極単純、彼女に刀が刺さっていないからだ。では今の音はどこから? それもすぐに判明した。
「教主ッ!!」
俺の右肩に突き刺さった刀を目の当たりにして、シュテルが悲痛な声を上げる。しかしそれに答えている暇は無い。刀が刺さったまま、無言で返した俺はすぐに砲撃痕地に突進する。煙が晴れたそこには、身体の殆どを失いながらも再生しようとしている変異体が残っていた。障壁も破壊されて無防備となった変異体は最後の悪あがきで魔力弾を形成、こちらに放ってくる。尤もそれは瞬時に“サムライ”が全て斬り伏せた。
「おらよ
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