ターン26 鉄砲水と真紅の瞳
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清明 LP1100→0
吹雪 LP1300→0
「引き分け、かぁ……」
「いや、どちらかといえば僕の負けだろうね」
吹雪さんがダークネスマスクを取り外しながら、疲れた顔でつぶやく。
「なんで吹雪さんの負けになるんですか?」
「どうにも僕はドロー運が悪くてね。このデッキのポテンシャルを最大限に引き出せれば、もっと早くに決着はついていたはずなのに。なまじ君や十代君、亮みたいなドロー運がずば抜けた相手が周りにたくさんいるからそう思うだけなのかもしれないけど、それでもそういう意味じゃ君たちが羨ましくてしょうがないんだ」
「ああ……」
吹雪さんのデッキは確かに極悪だ。言ってしまえば、レッドアイズ出して黒炎弾2発で勝負がつくんだから。でも言われてみれば確かに、この人がそのやり方で勝利を手にしたという話はあまり聞かない。だいたいレッドアイズでビートダウンして勝つイメージだ。
「まだ僕はレッドアイズの力をフルに引き出せてない。それができない以上、僕にとってはまだまだなのさ」
なるほど、と言いそうになったがそこでふと気づいた。じゃあ僕は、まだ不完全なレッドアイズにあれだけ苦戦した挙句引き分けに持ち込まれたってことか。なんか複雑な気分。
「ともあれ、ダークネスの制御も少しつかめた気もするよ。本当にありがとう、清明君。君にはいくら感謝してもしきれない」
「何回も言ってるじゃないですか。気にしないでって。実際、僕も楽しかったですし。………次はまた、僕が勝ちますからね?」
「ああ、楽しみにしてるよ。だけどまず僕は明日、亮とデュエルする。もしよかったら、君も見においでよ。じゃあね〜」
最後にそう言って、吹雪さんは来た時と同じように突然帰っていった。全く、吹雪というより嵐のような人だ。
とはいえ明日、か。ヘルカイザーとやらにいったい何があったのかも、直接会えばわかるかもしれない。これは、行ってみるしかあるまい。
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