ターン26 鉄砲水と真紅の瞳
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のやりかたなんかじゃない。純粋に勝利のみを獲りに行く、容赦のないデュエルだ」
随分きっぱりという吹雪さん。よくよく見ると昨夜何度も試合を検証してあまり眠らなかったのか、目の下には隠そうとしていても隠しきれないほどの隈があった。カイザーとの付き合いは僕よりもずっと長い吹雪さんがここまではっきり言うのだから、そうなのだろう。ただ一つ、よくわからない点があった。
「でも、なんでそれを僕に?こう言っちゃなんですけど、海の向こうにいるカイザーの話なんてここでしたって」
「チッチッチ。確かに君の言うことにも一理あるけど、僕はとある確かな筋から情報を手に入れたんだ。カイザーはジェネックス参加のため、明日この島にやってくる」
「………」
とある筋ってなんだ。これまで謎に包まれてきた吹雪さんの地獄耳の秘密にほんのちょっぴりだけ近づいた気がしたが、これ以上関わりあうとろくな目に合わないような予感がしたので追及はしないでおく。さわらぬ神にたたりなしって言葉もあるし、そもそも吹雪さんの話がどこに行くのかがいまだにはっきり見えてこない。カイザー、いやヘルカイザーが来るのはわかったけど、それをわざわざ翔や明日香じゃなくて僕の店に伝えに来たのはどういうわけだろう。その疑問に気が付いたらしく、ポケットに手を入れて1枚のカードを取りだす吹雪さん。
「こ、これ!?」
「そう。僕がかつて飲み込まれていたダークネスの力を封印したカードだ。この封印を解けば、またダークネスのマスクが出てくる仕掛けになっている」
そんな物騒なもんまだ持ってたのかこの人。まあ、世間の目から見れば地縛神カードだって似たり寄ったりなのだろうが。そのダークネスのカードをじっと見つめてから視線を外し、今度は僕の目を見て一言一言絞り出すように話す。
「僕は明日、亮にデュエルを申し込むつもりなんだ。彼が表舞台から姿を消してから今までの間に何があったのかはわからない。だけど友人として、彼にはもう一度昔のデュエルにかける思いを取り戻してほしい。そのためなら、僕はこの力をもう一度使うことだって辞さないつもりだ」
「いや待って待って待って」
いくらなんでも話が飛躍しすぎている。カイザーがおかしくなったのはわかった。それはいいとして、なんでそれを止めるためにダークネスの力が必要になるというのかがわからない。
そして、そんな素朴な疑問に対する吹雪さんの答えがこれだ。
「君が僕をダークネスから解放してくれた時に一瞬見せた力、あれはダークネスに負けず劣らず邪悪なものだった。闇の力を使うことで闇の力を振り払うことができるのならば、僕は喜んで亮の闇を祓うためにこの力を使おう」
そういえばあのデュエルではまだチャクチャルさんが表に出てきてなくて、勝手に溢れてくる地縛神のパワーの影
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