第百四話
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困りますから」
「はぁ?」
一般的に知られているまつろわぬ神は、ひたすら戦いに興じるような存在ですからね。私だって、何もなければそうなっていた自信も、きっかけ一つあればそうなる自信もありますし。だからこそ、そのきっかけから身を遠ざけることを気を付けてきました。だって、そうなっちゃったら家族で暮らしていけませんし。
けど、それよりも。
「それ以上に、武双をあの状態にした貴方をこのままにしておくわけには、行きませんから」
「よくわかんねえけど・・・いいぜ、いいな、オイ!それでこそ神ってもんだ!」
その瞬間に飛んできた水に対して狂気を流し込んで、次に突っ込んできた九人目のティルヴィングを聖槍で受ける。そこで狂気を流し込むも、そもそも狂っている魔剣には効果が薄いです。
これで相手の剣が聖剣とかなら行けたんですけどね・・・ある意味、私に対して使ってここまで効果のある武器はありませんよ。まあ、でも。
「オイオイ、狂気ばっかりかよ!」
「生憎と、これしかないもので!」
そもそも、私は狂気を女神神格化した存在。ただただ愚行に走らせるだけの存在である私に、狂気以外の権能があるはずもありません。ですが、
「それでも、その魔剣以外の全ては狂いますよ!」
「そいつは困ったもんだな!」
私が聖槍を突き出すと、九人目はティルヴィングの腹で受け止める。そのまま一瞬力を込めて突き飛ばし、観察をしながら狂気をまき散らして私を貫こうとしていた水と血を掻き消す。女神、吸血鬼、怪物、子供。そして今の血から感じたのは、私と同じギリシアの・・・
「ああ、なるほど。貴方が殺めたのは私と同じギリシアの・・・それも、私の従姉妹にあたる神ですね?」
「へえ・・・今ので分かったのかよ」
「ええ。私たちまつろわぬ神というのは、結構そういうことに敏感なんですよ」
聖槍をふるい、邪魔なものを一掃。さて、少しくらいは話しましょうか。何が何でも殺しますけど、それでも神殺しを達成したんです。その成果を語られずに消えるのでは、さすがにあれですし。
「最初は私たち、子供限定ということで歴史上に存在するペドフィリアを想像していたんですけどね・・・」
「あー、確かに俺も吸血鬼として出てきたらそっちを考えそうだな。・・・ま、オレ前には幽霊っぽい感じで出てきたし、それはなかったんだけどな」
「ああ、貴方の前にはその姿で出てきたのですね」
確かに、あの方はその姿も持っていました。
「その神の名は、ギリシア神話において五つの姿を持ち、その全ては時に混同されます。時に子を浚う怪物として、時にポセイドンの娘として、時に生贄を求める怪物として、時に幽霊として、そして・
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