暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 09 「消えない不安」
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 見方によっては敵に攻撃が命中しなかったために起きたとも取れるティアナの誤射。だがいつもの彼女ならば指揮に逆らったプレイをしたりはしなかっただろう。
 結果的に言えば……感じていた悪い予感が当たってしまったことになる。
 スバルはヴィータのおかげで無事だった。もしも直撃したならば、ヴィータからの話を聞いた限り軽い怪我では済まなかっただろう。誤射が起きてしまったことは喜べる事態ではないが、怪我人が出なかったに関して言えば喜ぶべきだ。
 だが問題になってくるのはこれからだ。
 ヴィータがかなり怒ったらしいし、今頃なのはからも何か言われているに違いない。素直ではなさそうなところが見られるが、なんだかんだでスバルの面倒を見たりエリオ達の世話を焼いたりする子だ。優しい性格をしているだろう。だから反省していないということはないはずだ。
 ただ、もう同じミスは起こさない。起こすわけにはいかない……、といった想いから過剰な訓練を行いそうな子なので心配だ。
 なのはの訓練は内容が内容だけに疲労はどうしても濃いものになってしまう。魔法の構築やイメージトレーニングの類ならまだ良いが、体を動かす自主練をするとなるとさらなる波乱を呼びかねない。

「部隊の方は順調みたいだね」
「うん、アコース査察官のお義姉さんのカリムが守ってくれてるおかげや」
「ボクも何か手伝えたらいいんだけどね」
「アコース査察官も遅刻やサボリは常習犯やけど、基本的に忙しいやん」

 はやての言葉にヴェロッサは笑いながら「ひどいな」と返す。人の心境も知らないで呑気なものだ。
 とはいえ、はやての苦労は俺達以上のものがあるのは理解しているので、こういうときに息抜きしてもらっておいたほうがいいのは確かだ。
 今フォワード陣や隊長達は現場検証またはヴェロッサが護衛していたユーノを代わりに護衛しているはずだ。
 にも関わらず俺がこの場にいる理由ははやてとの付き合いが長いため、ヴェロッサとも交流があるから……まあそれがなくてもクロノと友人であるため、彼と親しい関係にあったヴェロッサとは顔を合わせることになったのだろうが。

「カリムも心配してるんよ、可愛いロッサのこと……色んな意味で」
「心配はお相子だよ。はやてはボクやカリムにとって妹みたいなものなんだから……だからショウ、君にはこの子が無茶しないように見張ってもらわないと困るよ」

 昔からはやてとの関係にちょっかいを出してきたわけだが、今も相変わらずのようだ。実に面倒な話の振り方をしてくれる。

「ヴェロッサ、俺ははやての保護者じゃないんだが?」
「それはもちろん理解しているよ。君ははやての騎士様だろ?」
「ちょっロッサ、あんまりそういうこと言わんといてくれる。誰かに聞かれたら誤解されてまうやろ」
「ははは、何を今更
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