sts 09 「消えない不安」
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うなことを起こしているはず。だが彼女は、記録によればスバル絡みのことで問題にされたことはあっても首席で卒業している。誤射に関しては今回が初めてだろう。
ならば……やはり以前から考えているように周囲に対して劣等感を感じ、自分に対して無力さを覚え、それを努力することで補おうとしている可能性が高いだろう。
かつて俺もここにいるなのはやフェイトの才能を目の当たりにして才能の差を感じた。無力さを覚えた出来事だって数多くある。同じような立場を経験したことがあるだけにティアナの気持ちは理解できる。
しかし、俺には執務官になるなんて目標はなかった。純粋に魔導師としての道だけを歩んできたわけじゃない。俺が思っている以上にティアナの焦りや劣等感は強く、見返そうとする意思も強い可能性がある。また完全に理解してやるのは難しいだろう。
といって何もしないかと聞かれたら答えは否だ。
立場を考えればなのはやヴィータあたりが良いのだろうが、10年ほど前からすでにAAAランク以上の実力があったふたりだ。もちろん、これが努力したことで生まれた結果であることはよく知っている。
けれど凡人の気持ち……ティアナが周囲に対して抱く気持ちに関しては、俺以上に理解することは難しいだろう。
「ショウ、どうかしたのか?」
「いや大したことじゃない……俺なりに声を掛けておこうと思っただけさ」
「うん、それが良いと思う。ショウってこういうときの励まし上手だから」
「フェイト、さらりとプレッシャーを掛けるのはよしてくれ。一度注意しているなのはやヴィータだとこじれそうだし、フェイトだと何でもないって言われたらそこまでになりそうだし、シグナムは……」
普段は落ち着いてるけど、下手をすると拳で語りかねない奴だ。それだけに任せるのは不安がある。また普段訓練に顔を出していないため、ティアナもシグナムと話すのは緊張するだろう。
「……まあそういうことだからタイミングを見て話しかけてみるさ」
「おいショウ、今のはかえって私に失礼じゃないのか」
「まあ落ち着けよシグナム。あたしらに関する発言はあれだけど、お前の部分に関しては仕方がねぇと思えるしよ」
「どういう意味だ?」
「そういう意味だっつうの」
睨みを効かせながら互いの顔を見つめるふたりになのはは苦笑いを浮かべ、フェイトはオロオロし始める。俺からすると割と見慣れた光景ではあるけど、立場的に考えてお前らがケンカするのは良くない。それに今はティアナのことだけに集中したい。
「俺が悪かった。だからケンカはやめてくれ」
「別にケンカはしてねぇよ」
「そうだな。本気でケンカしているのならばテスタロッサがもっと慌てているだろう」
「シグナム、何で私のこと弄ってくるの!?」
「みんな元気だね」
「……なのはが見
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