第五十話 明かされる真実その一
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美しき異形達
第五十話 明かされる真実
横須賀での楽しい日々も終わる時が来た、薊は自分が生まれ育った孤児院の院長室で院長に笑顔で言った。
「じゃあ神戸に戻るな」
「うん、じゃあね」
「また戻るからさ」
明るい言葉での言葉だった。
「待っててくれよ」
「そうさせてもらうよ、ただ」
「ただ?」
「今度も一人じゃないね」
院長は優しい笑顔で薊に問うた。
「また皆とだね」
「そう出来たらいいな」
「そしてね」
それにともだ、院長はまた言ったのだった。
「結婚したら」
「おいおい、結婚って」
「いや、薊ちゃんもね」
院長は結婚という言葉にまさかと返す薊に言うのだった。
「結婚してね」
「それでかよ」
「そう、子供も出来て」
「あたしが結婚なんてな」
「出来るよ」
院長の言葉は優しい、あくまで。それは親のものだった。
「そして幸せになれるよ」
「けどよ」
「人造人間だっていうのかな」
「あたしは」
他の少女達、裕香以外の全員も無言で頷く。薊の今の言葉に。
「それでもかよ」
「身体は何処もおかしくないね」
「力出せてとんでもない身体能力あるけれどな」
「それでもだよ、薊ちゃん達はね」
彼女だけでなくとだ、院長も察して言った。
「人間の身体、何処もおかしくはないね」
「まあそう言われるとな」
薊はここでは多くは言わなかった、自分が女としてあるものについては。このことは彼女も他の少女も裕香も同じだ。
それでだ、こうも言ったのだった。
「実際な」
「そうだね、だからね」
「結婚出来てか」
「子供も出来るよ」
「あたしがお母さんになるのか」
「なれるよ」
必ず、とも言う院長だった。
「それもいいお母さんにね」
「だといいな、あたし実はな」
「結婚してだね」
「母親になりたいって思ってたよ」
これは薊の夢なのだ、誰にも言わなかったが。
「だからな、そう言われるとな」
「なりたいって思うね」
「大学まで出て就職して」
薊は自分の将来のことをここで話した。
「それでさ」
「結婚してだね」
「子供欲しいな」
「うん、その時もね」
「こっちに戻ってか」
「うん、ご主人と子供さんを見せてね」
「そうさせてもらうな」
薊は笑ってだ、院長に答えた。
「その時もまた戻って来るよ」
「そうしてくれると私も嬉しいよ」
「あたしの親は院長さん達だからな」
薊はこの言葉は自分から言った。
「子供が出来た時も戻るな」
「それじゃあね」
院長は薊にこれ以上はないまでの優しい笑顔で言った、そして。
薊達は孤児院を後にしてそれから電車に乗ってだった。
神戸への帰路につ
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