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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第472話】
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「だな、ヒルト……わりぃが片付け頼むな?」
「ひーくん、ごめんねー」
各々がそう言いつつ、整備室を後にした。
残ったのは俺と簪だけだが――。
「簪も上がっていいぞ? 何か用事あるんだろ?」
「ぅ、ぅん。 ……織斑くん、に、す、少し……」
一夏に?
何の用事かは気になるが、聞くのも野暮なので聞かないことにした。
「そっか。 ……とりあえず明日から放課後は訓練だが――」
そう言いかける途中、簪が口を挟んだ。
「ご、ごめん、なさぃ……ヒル、ト。 く、訓練は……お、織斑くんと、したぃ……」
「……はぃ?」
耳を疑う言葉、何故に一夏と訓練したいのかがわからなかった。
「ぱ、パートナーだ、けど……。 ……ひ、ヒル、トは……ヒーローじゃ、なぃ……から」
「……ヒーローじゃない?」
言ってる意味がわからない、俺は特別ヒーローではないはずだが……ともかく、簪がこう言ってる以上は無理にどうこうするわけにはいかなかった。
それと同時に俺は簪に厳しい言葉を伝える。
「……簪、さっき理央が言ってた通り連携取れなければ優勝すら難しいんだぞ? ヒーローが云々とかは俺からすればどうでもいい事だ、姉から一人立ちするつもり無いのか?」
「…………ッ」
姉からの一人立ちという言葉を聞き、唇を真一文字に結ぶ簪、そして――。
「一人、立ちはしたぃ……で、も、ひ……ヒルトの言、葉……厳しい……から……。 ……パートナーなら、もっと……優しくして、ほしい……!」
そう強く言い、簪は整備室を飛び出すように出ていく。
整備室にはただ一人、俺だけが取り残される。
「……ヒーロー、ねぇ……。 ……簪、お前にとっての優しさって、甘言や耳障りの良い言葉を言う人達の事なのか?」
誰も応えることのない問いは虚空の彼方へと消えていく。
虚しさだけが残り、俺は整備室内の片付けを始めた。
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