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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第472話】
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 残り日数を訓練や大会用に機体調整を考えたら……これがベストかもしれない。

 そう思った俺は、皆を見ながら口を開く。


「何にしてもさ、一日で機体を仕上げられたのは協力してくれたのほほんさん、理央、玲、セラのお陰だな。 勿論、搭乗者の簪もだけどな」

「ぅ、ぅん……」


 ついでみたいな形で言ってしまったのは俺のミスだが、簪は特に気にした様子を見せなかった。

 というよりも、少しそわそわした感じが見受けられる。

 何か予定でもあるのかもと思った俺は――。


「んじゃ、皆はそろそろ上がっても良いぞ? 他の機材の片付けや整備室の鍵閉め何かは俺がやるし」

「おー? ヒルトー、いいのかー?」


 代表して玲が口を開いた、表情に疲労の色が見えるのがわかる。


「あぁ、今回俺は大して役に立ってないからな、これぐらいは俺がやらなきゃってな、これが」

「ん、ヒルト……わりぃな」


 タオルで汗を拭きながら理央は応える、セラの表情も疲労の色が見えるもいつもの様に真っ直ぐと俺を見ていた。


「じゃあお疲れ様、簪も上がって構わないからな?」

「……ぅ、ぅん。 え、えと……あのっ……」


 返事をし、簪は頭を下げてこう言った。


「あ、ありがとう……ございました……。 わ、私……上手く感謝の、言葉……伝えられないけ、ど……。 あ、ありがとう……本当に、ありが……ありがとう、ございました……」


 精一杯言ったのだろう……感謝の言葉を伝えた簪の瞳が僅かに潤んでいるのが見えた。


「気にしなくていい。 貴女にはヒルトのタッグパートナーとして頑張ってほしい。 ……それに、四組の子達も、今は貴女を応援してる」


 セラの濁りなき言葉、四組の子が応援してるのは本当だろう、前みたいな陰口は無くなっているのだから。


「おー? 気にするなー、二人が勝ち上がってくれたら私はそれで充分ー」


 玲も続いて応える、手伝ってもらって一回戦で負けたら顔向け出来ないしな。


「お礼は優勝してから言えよな? ……ま、強敵は多いけどさ、ヒルトと連携さえ取れれば難しくないしな、俺の見立てでは」


 そう言って理央は簪を見る、戸惑いを少し見せた簪だったが小さく頷いた。


「かんちゃーん、私が手伝うのは当たり前だよー? かんちゃんのメイドだけど―、私はー、かんちゃんの大事な幼なじみだもんー。 てひひ〜」


 自分で言って恥ずかしかったのか照れ笑いを浮かべたのほほんさん。

 簪は改めて一礼すると皆は――。


「ん、じゃあ二人ともお疲れ様。 ……ヒルト、後片付け任せるわね」

「おー。 部屋に戻るのだー」


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