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食事をしながら
8部分:第八章
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第八章

 タレーランはだ。あらためてこう彼に話したのである。
「これからのことだが」
「これからか」
「フランスは今瀬戸際にある」
 そのフランスについての話だった。
「ナポレオンは倒れた」
「そうだな。倒れたな」
 自滅という。他ならぬ彼等が彼に対して何をしたか。そんなことはどうでもいいのだった。
「そして諸国はだ」
「フランスに群がろうとしている」
「このままでは多くの賠償金に領土を奪われる」
 そのことは避けられないとだ。誰もが思っていた。何しろだ。
 欧州を混乱の渦に巻き込んだのはそのフランスだ。それならばだ。
 賠償金に領土も当然のことだった。フランス人達は覚悟していたのだ。
 しかしだ。タレーランはだった。
 ここでだ。フーシェにこう話したのである。
「フランスの領土を守り賠償金も支払わない」
「それが可能だと思うのか?」
「思うからこそ言っているのだ」
 ここでもだ。平然と話すタレーランだった。
「まず私がいてだ」
「そして私もいるな」
「二人がいればできる」
 フランスを守ることがだというのだ。
「まず責任の所在ははっきりしている」
「あの男だな」
「彼は素晴らしい。全ての責任を引き受けてくれた」
 無理矢理押し付けたとは言わないのだった。
「彼は自分一人が悪人になってくれたのだ」
「では。責任はあの男のせいにしてだ」
「そうだ。後はだ」
「騙す必要があるな」
 フーシェはそのことを何とでもないように言ってみせた。
「まずは諸国だな」
「そして国民だ」
「フランス国民もだな」
「騙す。そしてそのうえでだ」
「フランスを救うか」
「フランスはそれを望んでいる」
 その彼等が常に共犯者とし忠誠を誓ってきた祖国がだというのだ。
 そう話してだ。彼等はだ。
 同時にだった。互いににやりと笑った。そして言うのだった。
「ではだ。話は決まりだな」
「そうだな」
 タレーランとフーシェは御互いに言い合う。
「フランスの為にだ」
「騙すとしよう」
「フランスはこれで救われる」
「そうだな。間違いなくな」
 二人で話してだ。それが全て終わってだった。
 二人はだ。あらためてこんな話をした。
「では。食事にするか」
「そうだな。それではな」
 こう話してだった。二人はだ。
 話を終えて食事にかかった。その中でだ。
 タレーランはだ。こうフーシェに尋ねた。
「どうだ、味は」
「見事だと聞きたいのか」
「そうだ。私が薦めたこの味はどうだ」
 今尋ねるのはだ。このことだった。
「気に入ったか」
「薦める人間は気に入らない」
 あえて名前を出さないがはっきり言ったのであった。
「しかしこれはフランスの味だな」
「その通りだ。フランスの味
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