九話:フェイト・テスタロッサ
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様子を知ってか知らずか高笑いしながらこと細かく説明していく。
『とある事故で私の本当の娘アリシア・テスタロッサは死んだわ……いえ、私が殺したと言った方がいいかしら……。 アリシアが死んでから私はある研究に没頭したわ』
フェイトは耳を塞ぐことも出来ずに震えながらプレシアの言葉を聞くことしか出来ない。フェイト以外の者は様々な思いを抱きながら身動ぎ一つせずにモニターを見つめる。
『使い魔とは異なる使い魔を超える人造生命の生成の研究。 そして死者蘇生の秘術。 その研究の開発コードの名前はプロジェクト―――F.A.T.E』
その名を聞いた瞬間フェイトは崩れ落ち、アルフとなのはは驚愕のまま固まる。リンディやクロノは察しがついていたのかなんとも言えぬ非情で顔を俯けるだけだった。
『だけどダメね。ちっともうまくいかなかった。 作り物の命は所詮作り物。失った者の代わりにはならないわ。 アリシアはいつでも私に優しかった。……フェイト、アリシアの記憶を上げてもやっぱりあなたは、アリシアの偽物よ。あなたは―――アリシアにはなれない! 』
「何故、それを分かっていながらあなたは……」
ヴィクトルがやるせない表情で呟く。自分とは違い同じ者などこの世に存在しないと気づいているにも関わらず止まらない。いや、気づいたからこそ後戻り出来ずに、よりアリシアに執着してしまう結果になったのではないのではないかと。
自分が仮に生まれ変わったとしてもそこに居るラルとエルが自分の妻と娘ではではないと気づいたらプレシアと同じようになったのではないかと思わずにはいられなかった。プレシアはかつてのヴィクトルであってあり得たかもしれない未来の彼の姿でもあったのである。
『あなたはアリシアを蘇らせるまでの間に私が慰みに使うだけのただのお人形。だからもうあなたは私の傍にいる必要はない。どこへなりと消えなさい!』
その言葉に何処かしら裏を感じたルドガーは僅かに眉をひそめてヴィクトルの顔を見る。ヴィクトルも同じように感じたために意味有り気に視線を返す。
『そう言えばヴィクトル、あなたはその人形を気にかけてたわね。いいわ、私にはもう、必要ないからあなたにあげるわ』
その言葉にヴィクトルとルドガーは裏がある事を確信する。なのはやユーノから聞けばまさに必要のなくなったゴミを他人に押し付けるような物言いだったがヴィクトルの耳には信頼できる者に預けると言われたように聞こえた。
『それからフェイト、最後に良いことを教えてあげるわ。あなたを作り出してからずっとね。あなたを―――憎んでいたのよ!』
その言葉は容易く少女の心を砕いた。彼女が消えたモニターを見つめながら、ヴィクトルは自身が彼女に告げた言葉を思い出し別の意
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