第百十三話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「硬き鱗よ、我が身を守り、衝撃を返せ」
全力で投擲した槍は、しかし九人目の体にあたると同時に俺の方に返ってきた。普通ならそのまま俺の心臓を穿っていたはずのカウンターは、俺がボルグを右腕に戻したことで無効化される。
鱗、ねぇ・・・硬い鱗を殴りつければ、その威力は殴った者自身に返ってくる。それを再現した権能、ってところか。
「ハッ、そう怒んなよ神代武双」
「お断り、に決まってんだろうが!」
「そりゃそうだ!それでこそ神殺しだよな!」
物理的な攻撃が通じないので、俺は全なる終王を発動して雷を攻撃の主軸に置く。それに対して九人目は楽しそうな表情になりながら、髪を緑色に変えて向かってくる。
接近戦になる前に雷を放つが、それはあいつの目の前に現れた水で防がれる。完全な純水は電気を通さないから何も驚かず、その水に対して俺も干渉して双方潰れる。前にアイツもやってきたことだ。
それをすることであいつを守る盾は消えたけど、もうすでに遠距離戦ができるような距離にはいない。短槍を召喚して雷を纏わせて突き刺しにいくも、一瞬神速に入って避けられ、俺の腕をつかみに来たため盾を召喚して後ろに跳ぶ。
盾の方を見るとあいつが掴んだところから腐食・・・酸化していくので、こっちの予想は正しかったのだと判断。髪の色が緑の時は触れられないよう細心の注意を払う必要があるな。
ってかそれよりも、あの魔剣がいつ飛び出してくるのかが怖い。今すぐにでもぶっ壊したいのに、破壊者は使えねえし・・・隠し玉が残ってる、ってのはここまで怖いもんなんだな。
「さわれりゃ、それで終わるんだがな」
「今のを見てまだそんなことを許すと思ってんのか?」
「そりゃそうだ。だったら、こっちで行くとするか!」
髪が緑から黒に戻ったので、今は腐敗の権能は解除しているのだろう。解除して使う必要があるってことは、やっぱり何かしらの神の化身を権能の形で簒奪したものさっき神速に入るときもそうだったところを見ると、ナーシャの霊視は当たっていたのだろう。もう少し、情報があればな・・・
「古き時代、丸太は多くを破壊した!」
と、そんなことを考えている間にも九人目は言霊を唱えていた。丸太という力がなければ扱うこともでいない武器、そしてあいつの腕が文字通り丸太みたくなったところを見ると・・・
「今ここに我は力を現す。人ならざる力をもちて相撲を取り、未来あるものを守り抜こう!」
濡れ皿の怪力を発動すると、かなりのレベルで強化される。つまり、あいつが発動したのも怪力の権能だ。言霊から考えて、丸太にかかわる化身。・・・もはや生物ですらねえんだな。そんな化身もってて何をしたかったのだろうか、その神様は。
とはいえ、そんなこ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ