第26話 魁と黒の剣士、一時の安らぎを過ごす
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詩乃はゾッとした。もしかしたら平助もその中に入っていたかもしれなかったんだから笑い事じゃなかった
「これから見舞いに行く人は俺にとってSAOで出会った一番大切な……誰よりも俺が愛した女性なんだ……」
「そう……」
キリトの言葉に詩乃はそうと一言返事するだけで精一杯みたいだ。
「SAO事件が解決してから数カ月がたった。だけど、彼女は……アスナはまだ還ってこないんだ」
その時のキリトの表情は酷く暗い表情で、しかし涙流さない様に必死に堪えていた。そんな彼の態度にタカトラもリーファも詩乃も何も言えなかった
そんな暗い空気になりながら目的地の病院に到着し、そこへ向かったキリト達。病院内に入り、今日会う人の病室の入り口の札にはこう書かれていた
―――結城 明日菜―――
一度ノックをして病室に入るとそこに居たのは頭にナーブギアを被り、未だに眠り続けている亜麻色の髪の少女だった
そんな少女にキリトはベッドの横の椅子に座り、彼女の手を優しく包みながら話しかけた
「今日も来たよ、アスナ………」
「……………」
返事が無いのはわかっているが、それでもキリトは彼女…アスナに語り続けた。それからしばらくしてキリトは直葉と平助を紹介した
「アスナ…今日は妹と友達を連れて来たよ。スグとタカトラ達だ……」
キリトの言葉を待っていたのか、直葉はアスナの手を自分の手でそっと包みながら語りかけた
「初めましてアスナさん、妹の桐ケ谷 直葉です。アスナさんのことはお兄ちゃんから聞きました……」
直葉は自分が知る限りのキリトとの思い出を話しながらその日の時間はあっと言う間に過ぎていった
それから暫くして・・・
アスナの見舞いを終えたオレ達はダイシーカフェで別れることになった
「それじゃあタカトラ、またALOで…」
「あ、ああ…それじゃ、またな……」
そう言って家路に向かうキリトの背中…オレには寂しく見えた。無理もない…惚れた女があの世界樹の上の檻に閉じ込められている。しかも意識は未だ戻らずなんて、落ち着けるわけがない
本人は何とか抑えているみたいだが、そんなのはヤセガマンにしか見えない。だからオレは・・・
「キリト!」
「なんだ?タカトラ」
キリトに活を入れるために・・・
とりあえず叩く事にした
−−−バシンッ!−−−
「…ッテ!何するんだ!」
「キリト…そんな今にも死にそうな顔してんじゃねえよ!アスナを助け
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