暁 〜小説投稿サイト〜
小学時代を思い出そう!
「紫陽花とデンデンムシ」

[8]前話 [2]次話
「デ〜ンデン、ム〜シムシ、カ〜タツムリ」

 と、歌いながら友達のカラが、公園の端にある紫陽花の葉っぱの裏を見ていた。小学校1年生の時の話しだ。何をしているのか分かっている僕は……

「カラ、いた?」

 と、聞くとカラはニヤリとして……

「いたいた!」

 と、結構デカいカタツムリを捕まえていた。紫陽花の葉っぱの裏には他にも沢山いて、僕もカタツムリを捕まえた。

「ミズキ、カタツムリでレースしようぜ!」

 僕らは早速、滑り台を使ってレースをした。先に下まで行った方が勝ちだ!ノッタリクッタリ、歩くカタツムリ。 とはいえ抜きつ抜かれつのレースは面白かった。レースが終わったら、カタツムリにエサをやった。もちろんエサは紫陽花の葉っぱだ。

「おーい、何してんだよ!?」

 頭を上げるとカミがやって来た。今いる三角公園はカミの家の、はす向かいにあった。

「カタツムリで遊んでんだよ」

 と、カミに説明した。カミも一緒にカタツムリレースを楽しんだ。そのあと駄菓子屋に行った。

「そうそう、カタツムリって糸の上も歩けるんだぜ」

 と、駄菓子を食いながらカラが言った。口には、長い糸のついた飴を舐めていた。また公園に行きカタツムリで遊んだ。飴についていた糸にカタツムリをのせた。両手の間の糸をカタツムリは、ノッタリクッタリと歩いて行った。

「そういや、カタツムリって、刃物の上も歩けるんだぜ」

 今度はカミが言った。

「本当?斬れちゃうんじゃないの?」

 と、僕が言うと……

「本当だって!俺、内緒で親父の日本刀で試したから」

 と、カミは言っていた。早速、カミの家に行ってやって見る事になった。

「ほら、乗せてみろよ!」

 カミは押し入れから、白鞘(しろさや)の日本刀を出して抜いた。ギラギラ光る日本刀の刃の上に、カラがカタツムリを乗せた。

「あっ!歩いてる」

「なっ、ミズキ!本当だろ?」

 カミは、日本刀にカタツムリを乗せたまま、ニッカニカと笑っていたのだった。

おしまい

[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ