暁 〜小説投稿サイト〜
小学時代を思い出そう!
「早く、芽をだせ!」

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 夕飯を買いにスーパーに行った。入り口を入ってすぐの所に、果物コーナーがあり、サクランボが売っていた。その瞬間、僕の小学時代の記憶の扉が開くのだった。

◇◇◇

 小学時代、僕はサクランボが大好物だった。だからこの時期になると……

「ミズキ、買って来たよ〜」

 と、婆ちゃんは、しょっちゅう市場でサクランボを買って来たのだった。お風呂上りにサクランボを食べる。ぺろりとたいらげた。器に残ったサクランボの種を見て、ふと思った!

『これを埋めれば、またサクランボが食べられるんじゃない!?』

 という訳で次の日、婆ちゃんに植木鉢を一つもらい、サクランボの種を埋めた。また、食べられますようにと水をやった。婆ちゃんは僕の姿を見て……

「芽が出るといいねえ」

 と、言っていた。
 そうそう、書いていて思い出した。植木鉢に埋めたのはサクランボだけではなかった。僕はメロンも大好物だった。だからメロンの種も埋めた。たくさん、甘いメロンが食べられるようにと。
 この他にも、みかんも埋めた。みかんは種がなかったから、めずらしくあった種を一粒、大事に植木鉢に埋めたのだった。
 毎日毎日、僕は水をやった。だけど、もちろんの事だけど……どの種も、芽を出すことはなかった。その姿を見る度、婆ちゃんは……

「買ってきた果物の種からは実がなんないんだよ」

 と、言っていた。僕はそういうものか!と思っていた。
 そういえば……バナナも埋めようとた思った。ところでバナナの種はどこだろう?

「婆ちゃん、バナナの種はどこ?」

 と、婆ちゃんに聞くと……

「さあねえ、バナナは種がないから、そのまま埋めるのかしら?」

 と、言っていた。バナナをそのまま埋めるのかあ!と思ったものの。さすがにそれはもったいないだろ〜と、僕は思いバナナを埋めるのはやめたのだった。

おしまい

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