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小学時代を思い出そう!
「砂山」

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 通勤電車の中から富士山が見えた。僕はふと小学時代を思い出すのだった。

◇◇◇

 小学5年。山中湖林間学校から帰って来た僕らは、富士山を間近で見た感動から連日、学校の砂場で砂山を作っていた。その時作っていたメンバーは、カミとチョボオ、テラコとウッチーだった。放課後になると、男6人でせっせと砂山を作って行った。

「ヤッパリ富士山は良いねえ〜!」

 と、カミ。

「早く白砂で、雪の所作ろうぜ!」

 と、チョボオ。僕とカミは、一緒に砂山を固めていた。一度積んでは山頂を叩いて平らにした。そしてまた湿った砂を積みあげ叩くのであった。こうして作った砂山は、固く丈夫な砂山になった。

「僕らは、湖を作ろうぜ!」

 ウッチーとテラコは、砂山の周りに穴を掘った。

「ところで、富士五湖って、湖がいくつだっけ?……4つ?6つ?」

 と、テラコが言った。

「テラコ、6つな訳ないじゃん!5つだから富士五湖なんだろ〜」

 と、ウッチーが言った。

「あっ、そうかあ!そういえば富士五湖って、山中湖に河口湖に西湖あとなんだっけ?」

 と、またテラコが言った。するとチョボオが……

正直湖(しょうじきこ)だよ!」

 と、言った。

「はあ!?」

「何行ってんだよ、それを言うなら精進湖(しょうじこ)だろ!」

 と、みんなに突っ込まれていた。

「あれ?あと一つはなんだっけかなあ」

 と、カミが言った。

「分かった分かった!今度こそ分かった!!」

 と、チョボオが言った!

「狭山湖!」

「狭山湖は違うだろ!東京都だぞ!!」

 と、良く釣りに行くウッチーとカミに突っ込まれていた。僕は、そんな会話を聞きながら、せっせと白砂を山頂からかけて雪景色を作っていた。

「富士五湖って行ったら……山中湖、河口湖、西湖、精進湖と、本栖湖だよ!」

 と、ウッチーが言った。さすがは、自分から富士五湖を作ると言っただけはあるなあと、僕は思ったのだった。

つづく





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