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インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜
貴公子の秘密と私の秘密
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て言えるのが嬉しかった」
なんでも無いのに、他人事のように語るその話。でも、そんな顔をして語れるほどその話は明るいものじゃないなかった。
「でも、ある日。俺のせいで一夏が攫われたんだ、すぐに見つかったんだけど。一夏に怖い思いをさせちゃったな……と思って後悔したんだ。それがあいつ、ケロっとした顔して『女を守るのは男の役目だろ?』だってさ。ツッコミどころ満載だったけどそれより嬉しかった……。俺の事をまだ友達だって親友だって思ってくれてることが嬉しくて、それで俺も約束したんだ。『私も一夏のこと守りたいって』」
「それで一夏の事……」
「まぁ、そういうこと。あいつもあの頃から俺の事を女って思ってるし……」
「そうなんだ」
「で。程なくして俺はある日博士に養子として引き取ってもらったんだ。こんなに大きくなるまで育ててくれたもの嬉しいし、ありがたいんだけど……」
すると言葉を切って、僕を見る。
「だからさ……。シャルルも気にしなくていいと思うぜ?それに片方がいるっていいことじゃん……………でも俺もその父親のやり方は気に入らねぇ」
「那珂……」
「優里」
僕はボソッと呟かれて言葉が聞き取れず、聞き返す。
「えっ?」
「だから、優里!それが俺の名前だから。那珂っていう名字も好きだけど、やっぱり俺はこの名前が好きなんだ。唯一両親が残してくれた俺と両親を繋ぐものだから」
「そうか……じゃあ、僕の事もシャルロットって呼んでよ」
「シャルロット……?」
「そう。それが僕の本当の名前、お母さんがくれた僕の名前……」
「えっと、シャルロット……ってこれでいいか?」
彼にボソっと言われただけだが、その六文字に凄く幸せを感じる。彼は照れ隠しで横を向くと私に聞こえるか聞こえないかのギリギリの音量で
「それにあんたを刑務所なんかに入れさせない。俺があんたが卒業するまで守ってみせるよ」
「えっ?」
「だから、安心して。この学園生活、楽しんでくれってこと」
そう言って彼はニコっと笑った。
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