「ダンゴ虫は何を食べるのか?」
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僕の小学時代の話だ。
保育園から一緒のコウは、「虫博士」と呼ばれる程、虫が好きで、コウの家にはいつも何かしらの虫が飼われていた。
「ミズキ!ダンゴ虫って何を食べるか知ってるか?」
3年生の時だったと思う。近くの駐車場のフェンスに登って遊んでいるとコウが言った。
「ダンゴ虫?……葉っぱだろ?落ち葉を食べるんだよ!」
僕も虫は好きだったから、図鑑で読んた知識から思い出して答えたのだった。
「ミズキ、ダンゴ虫って落ち葉以外も食べるんだぜ!」
「えっ!?」
僕は、しばらく考えた。落ち葉以外?……枝?花?蜜?僕は、思い浮かんだ物をコウに言うと、その度に……
「はい!ブッブー」
と、言ってニヤニヤしていた。
「え〜!分かんないよ」
「ミズキ降参?」
「降参!」
僕は両手を上げた。
「ミズキ、ダンゴ虫って……石を食べるんだよ!」
「石?石ってあの石!?」
「そう、あの石!そんでもってコンクリートも食べるんだよ!!」
コウはニタニタしていた!コンクリート?また嘘言って!!と、思っていた矢先、カミが駄菓子屋から帰って来た。カミも虫好きだった。
「なあカミ!ダンゴ虫って何喰うんだ?」
と、僕が聞くと……
「落ち葉と石だよ!」
と、即答されてしまった。 カミは駐車場の脇にあった、捨てられたコンクリートブロックをひっくり返した。
「ほら!居ただろダンゴ虫」
カミがひっくり返した所には、ダンゴ虫がウヨウヨといた。
「コンクリも喰うんだよ!石やコンクリにはカルシウムが入ってるからなあ」
「そうなんだ!」
僕はビックリした。僕は、学校の側の通称「生コンさん」と呼んでいる、コンクリート工場を思い浮かべた。
「じゃあ、生コンさんの敷地には、ダンゴ虫がウヨウヨじゃん!!」
と、言ったら、コウとカミの二人に、大笑いされてしまったのだった!
おしまい
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