第四話 情報戦
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「リュウヤ、カ。アンタがあの大笑いしてた野郎なんだナ」
言うと、リュウヤはピタリと動きを止め、アルゴを凝視する。そして次に満面の笑みを浮かべた。
「正解正解!なんだ、やけに気づくの遅かったなぁ」
「まあ、タイミングはなんでもいいサ。けど、これで売れるまでの情報は全てそろった」
「それくらい分かってるさ。それを承知でつけてたんだしよ」
言うと、リュウヤはウインドウを開き、少し操作してアルゴにあるメッセージを送った。
リュウヤがフレンド申請をしています。受諾しますか?
YES/NO
「これから、アンタから情報を買いたい。その印ってわけだ。できれば受諾してほしいね」
リュウヤは苦笑いしながら頼むよ、と言う。正直ムリだと思っているのだろう。
だがそんなことはない。アルゴからしてみれば、顧客としては相手にならないだろうが、ブレーンとしては使える。
「…………ま、オレっちもアンタから情報をもらうかもしれないしナ、受けてやるヨ」
アルゴはYesボタンを押すと、リュウヤに手を差し伸べる。
リュウヤは少し驚いていたが、フッ、と不敵な笑みを浮かべてアルゴの手を握った。
「これからよろしく、アルゴ」
「こちらこそダ、リュウヤーーーいや、リュウ兵」
「なんだそのあだ名」
「オレっちは気に入った相手にあだ名をつけるんだヨ」
「ふ〜ん、まいっか。ほんじゃな〜」
あまり納得していないようだったが、受け入れるしかないと考えたのだろう。流してさっさと帰ろうとする。
それを、アルゴの一言が引き留めた。
「会議の時は、スマなかったナ。少しスッキリした。けど、あれでいいとは思わないこったナ」
今度こそ、リュウヤは体をピタリと止めた。息すらしていないんじゃないかと思えるほどに微動だにしない。
数瞬ののち、リュウヤはくるりとその場で回転し、再びイスに座り込んだ。
「ナンダ、帰るんじゃないのカ?」
「一つ、お前に教えてやろうと思ってさ」
「なにヲ?」
リュウヤはそばにあったリンゴ(のようなもの)を手にとり、くるくると回し始める。
「俺のあの言は、あの場にいた全員へ平等に与えるべきものを与えた」
回していたリンゴを手に掴んで、咀嚼する。
「元テスターたちには、罪の意識を軽くさせ、みんな同じだという安心感を得させるとともに、反テスターのやつらへのちょっとした爽快感を」
アルゴも一度食べたことのあるそのリンゴは一口目はスッキリとした味わいだった。
しかし、
「新規でSAOにきたヤツらには、元テスターを批判すればその批判は自分に返ってくるのだという意識を植え付けさせ、最低限のコミュニケーションを取れるように意識を変えた。キ
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