第四話 情報戦
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してなぜついてこられるのか。
敏捷一極方のビルドであるアルゴについてこられるなど、候補に挙げられるプレイヤーはキリトくらいのものだ。
そのキリトでさえ、アルゴについていくのは少し難だということは両者ともに理解しているし、そもそもキリトが追いかけてくるはずはない。
先ほどアスナと同じ宿にてフルボッコにされていたのだから、追いかけてくる気力なんてないだろう。
ならだれがーーー
「ふんふん、タダでこの物件は中々に良物だな。こんなとこ、他にもねえのん?」
「ッッ!?!?」
だれもいないはずの家屋に、揺り椅子の上でくつろいでいる男性プレイヤー。武器は見当たらず、防具すら身につけていない。まるでNPCのような出で立ちの彼に、アルゴは一瞬で臨戦態勢へと移行せざるを得なかった。
(オイラの索敵に引っかからなかった……!?)
腰の短剣を引き抜き、モンスターと対峙するかのように意識を引き上げていく。
ここはギリギリ《圏内》だが、相手がどう出るか分からない上に、なぜだか《圏外》であっても殺される、という感覚を与えさせられる。
しかし、アルゴのただならぬ危機思考は全くの勘違いだった。
「おいおい物騒だな。怖いから降ろしてくんない?別に俺アンタと戦いにきたわけじゃねえし」
友達どうしでふざけあう時のような声音でやめろよ〜などと言うプレイヤーに、アルゴは眉をひそめることしか出来ない。
「……あの〜、アルゴさん?俺ふざけてるわけじゃねえんだけど」
「アンタがここにいる時点でオレっちは最大級のピンチなんダ。分かってんのカ?」
「だぁかぁらぁ、俺はそんな物騒なオハナシしに来たわけじゃねえんだってば」
「ジャア、なにをしにきタ?」
「そりゃあもちろん、情報を買いに」
(うさんくさいナァ……)
アルゴがそう思うのは、イスに座って芝居がかった手振りをしているからではない。
アルゴが今目の前にいるプレイヤーのことをなにも知らないのに対して、彼はアルゴのだいたいの情報を手に入れている、というところだ。
今更、彼が自分を追い掛け回してきたヤツとは別口とは思えない。張本人で確定だろう。
なら、もういっそのこと開き直って素直に情報を売ってやろうじゃないか。
「デ、どんな情報をお求めカナ?」
「さすが《情報屋》、切り替えの早いことでなによりだ。俺が欲しい情報は二つだ」
彼は右手の指を二本立てつつ、続ける。
「一つ、アニールブレード+6って、そんな重要なのん?」
「……っ!?」
「ほーん、そゆこと。なら次だ。最西端の村にある秘クエの報酬、知ってるか?」
「…………?」
「あー、ハイハイ分かった分かった。《情報屋》ってすげえんだな」
立てつ
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