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食事をしながら
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第一章

                      食事をしながら
 フランス革命はこう言われている。
 多くの革命家と一人の独裁者、一人の英雄、そして二人の怪物を生み出したとだ。
 問題は二人の怪物だ。彼等である。
 タレーランとフーシェ。激動の時代を生き抜いただけでなく多くの謀略の中にその身を置きそのうえでだ。ナポレオンの両輪となり支えもしてきた。
 しかしだ。彼等はだ。 
 最後にナポレオンを裏切り彼を失脚させた。そのうえで一連の戦争による責任をナポレオンに押し付けてだ。フランスを救いもした。
 しかしだ。誰もがだった。
 彼等に対してはだ。いいものを見ていなかった。
「タレーランは汚物だ。絹の靴下の中のだ」
「フーシェには何時寝首をかかれるかわからない」
「タレーランを信頼すると身代わりにされる」
「フーシェは生き残る為なら悪魔でも騙す」
 こう言われてきた。とかく評判が悪い彼等だった。
 その行い自体もだ。とにかく人に嫌われるものだった。
「タレーランは賄賂を取る」
「しかも他人の女房まで取る」
 これが実際のことであった。事実なのだ。
「フーシェは人を殺すことを厭わない」
「革命でどれだけ無実の者をギロチンに送った」
 こうしたことを言われてきた。そしてだ。
「上司にも部下にも同僚にも友人にも持ちたくない」
「あの二人には近寄るべきではない」
「ナポレオンですらあの二人には騙された」
「そもそも忠誠心なぞ最初から心にないのだ」
「まさに怪物だ」
 人間ではないと言われていたのだ。そうした彼等だった。
 しかもだ。御互いにであった。彼等はだ。
 政敵同士であった。それもかなり対立している。
 タレーランはだ。こう言うのだった。
「フーシェの代わりはフーシェしかいない」
 思いきり皮肉を込めての言葉だった。
「彼しかな」
 そしてだ。フーシェも言うのであった。
「タレーランの為の監獄は常に用意してある」
 そしてだ。こう言い加えた。
「ギロチンの刃も常に磨いている」
 御互いにこう言い合っていた。政敵同士でもあったのだ。
 しかしその彼等がナポレオンを失脚させフランスを救った。それは紛れもない事実であった。
 それでも誰もだ。彼等を賞賛しはしなかった。むしろこう言う始末だった。
「ナポレオンを騙し失脚させてか」
「そのうえで彼を一方的に悪人にしてだ」
「自分達は助かるか」
「何という奴等だ」
 結局のところこうした評価であった。彼等は何処までも悪人と見られていた。
 だが彼等自身はというとだ。そうした視線や評価にだ。
 全く動じていなかった。平然とさえしていた。それが周りの評価をさらに悪くさせていた。 
 ある日だ。その彼等が偶然会った。そして時間も
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