1部分:第一章
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あった。
ふとだ。タレーランの方から言うのだった。
「思うのだが」
「何だ」
フーシェは不機嫌そうな顔でタレーランに言葉を返した。
「何か用でもあるのか」
「あるから声をかけたのだ」
タレーランは表情を消してフーシェに告げた。
タレーランは恰幅のいい顔である。片足を引き摺っている。髪も貴族的だ。フーシェは痩せて抜け目のなさそうな顔をしている。だがタレーランの服は立派でフーシェは質素だ。
その彼等がお互いを見据えてだ。話をするのだった。
「違うか」
「そうだな。その通りだな」
フーシェもその言葉に頷きはした。
「だから声をかけたな」
「その通りだ。そしてだ」
「そして?」
「私はどうやら腹が空いている」
タレーランからの言葉だ。
「君はどうか」
「空いていると言えばどうするのだ?」
フーシェはタレーランのその目を見ながら尋ね返した。
「そうであれば」
「どうだろうか。共に」
タレーランはまたフーシェに話した。
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