短編78「あなたへ私の独り言」
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い!私はいたって普通にし、家に帰ってから、アイツの家に電話をした。アイツの家では、祝電女と呼ばれていた。アイツの弟がつけたらしく、弟が電話に出ると……兄ちゃん祝電、女から電話っ!って声が聞こえた」
○月×日
「野球は全く興味なかったけど、アイツがやってる事で、気付くようになった!どこが勝つと、どのお店が安くなるかが分かり、安くなって欲しいお店を応援した。アイツにその話しをしたら、大笑いしていた」
○月×日
「アイツ、プロになるらしいよ!スカウトが来てた!と友達が教えてくれた。プロ!?なんだか急にアイツが遠くに行ってしまった気持ちがした」
○月×日
「私には、何もない。勉強は中の下だし、得意な事もない。友達付き合いも普通だし、ただ毎日を過ごしていくので、いっぱいいっぱいだ!なんだか悲しくなった。自分が悔しかった」
○月×日
「何が好き?……アイツに聞かれた。もうすぐ誕生日だろ?プレゼントしたくてさ!その言葉は嬉しかったが、とても胸に突き刺さった。なんなんだろ?私の好きなものって……」
○月×日
「プレゼントは、花だった。カスミソウの中に、マーガレット、トルコキキョウが可愛らしく顔を出していた。メッセージカードも入っていた。その場で読もうとしたら、止められた。顔が真っ赤だった!帰ってから読む……お誕生日おめでとう!大好きだよ。と、書いてあった。なんか、嬉しくて涙が出た。」
○月×日
「私は、あまり自分で決めた事なかった。取りあえずで決めて生きて来た。高校進学も友達が行くからで決めた。部活だってそうだ。別に楽しい訳ではない。取りあえずで、やっていただけ……」
○月×日
「日曜日。アイツと映画に行く事になった。好きな物は?の質問に映画と答えたからだ。本当に映画が好きなのかは、良く分からない。とっさに浮かんだ。映画は、映画館で決めた。これなら自信を持って決められた!二人で見た映画は、ゴジラだった」
○月×日
「自分が、意外なものが好きなのが分かった。好きな人といるからだろうか?ゴジラの映画はワクワクした。私、こーゆうの好き!と言えた。映画の後は、ご飯を食べながら、ゴジラの何が良いかについて語った。初めてだった。私の中にも語れるだけの物があったのだ!きっとアイツの野球もそうに違いない」
○月×日
「もうすぐ、卒業式だ。アイツはプロの道へ行く。私は普通に進学にした。でも、一つだけ違うのは……学校を自分で選んだ事だった。」
○月×日
「本当に出来るのかは分からない。でも、大切なのは自分で決める事だと思う。私は映像処理の専門学校に行く事を決めた」
◇◇◇
あれからも、アイツと付き合いは続いている。私たちは、お互いに自分の世界で生きている。独り言日記も続いている。
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