暁 〜小説投稿サイト〜
極短編集
短編78「あなたへ私の独り言」
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
い!私はいたって普通にし、家に帰ってから、アイツの家に電話をした。アイツの家では、祝電女と呼ばれていた。アイツの弟がつけたらしく、弟が電話に出ると……兄ちゃん祝電、女から電話っ!って声が聞こえた」

○月×日
「野球は全く興味なかったけど、アイツがやってる事で、気付くようになった!どこが勝つと、どのお店が安くなるかが分かり、安くなって欲しいお店を応援した。アイツにその話しをしたら、大笑いしていた」

○月×日
「アイツ、プロになるらしいよ!スカウトが来てた!と友達が教えてくれた。プロ!?なんだか急にアイツが遠くに行ってしまった気持ちがした」

○月×日
「私には、何もない。勉強は中の下だし、得意な事もない。友達付き合いも普通だし、ただ毎日を過ごしていくので、いっぱいいっぱいだ!なんだか悲しくなった。自分が悔しかった」

○月×日
「何が好き?……アイツに聞かれた。もうすぐ誕生日だろ?プレゼントしたくてさ!その言葉は嬉しかったが、とても胸に突き刺さった。なんなんだろ?私の好きなものって……」

○月×日
「プレゼントは、花だった。カスミソウの中に、マーガレット、トルコキキョウが可愛らしく顔を出していた。メッセージカードも入っていた。その場で読もうとしたら、止められた。顔が真っ赤だった!帰ってから読む……お誕生日おめでとう!大好きだよ。と、書いてあった。なんか、嬉しくて涙が出た。」

○月×日
「私は、あまり自分で決めた事なかった。取りあえずで決めて生きて来た。高校進学も友達が行くからで決めた。部活だってそうだ。別に楽しい訳ではない。取りあえずで、やっていただけ……」

○月×日
「日曜日。アイツと映画に行く事になった。好きな物は?の質問に映画と答えたからだ。本当に映画が好きなのかは、良く分からない。とっさに浮かんだ。映画は、映画館で決めた。これなら自信を持って決められた!二人で見た映画は、ゴジラだった」

○月×日
「自分が、意外なものが好きなのが分かった。好きな人といるからだろうか?ゴジラの映画はワクワクした。私、こーゆうの好き!と言えた。映画の後は、ご飯を食べながら、ゴジラの何が良いかについて語った。初めてだった。私の中にも語れるだけの物があったのだ!きっとアイツの野球もそうに違いない」

○月×日
「もうすぐ、卒業式だ。アイツはプロの道へ行く。私は普通に進学にした。でも、一つだけ違うのは……学校を自分で選んだ事だった。」

○月×日
「本当に出来るのかは分からない。でも、大切なのは自分で決める事だと思う。私は映像処理の専門学校に行く事を決めた」

◇◇◇

 あれからも、アイツと付き合いは続いている。私たちは、お互いに自分の世界で生きている。独り言日記も続いている。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ