episode 1
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後
「ふぁ〜………」
のどかな春の朝、俺は大きなあくびをしながら歩く。
今は学校へ行く途中なのだ。
俺、火野 滉(ひの あきら)は、先日高校生になった。
高校生といえば携帯を学校に持って行ったり、買い食いをしたり、と、小・中学校では禁止されていたことが出来るようになるのでかなり大人びたイメージがあった。
しかし実際なってみると中学校とさほど変わらない感じがする。
確かに携帯の持ち込みはOKだが校内では使用禁止だし、買い食いするぐらいなら家から持ってくればいいのである。
「あー、学校行きたくねぇ…」
入学して1週間で思ったことがこれである。
別にいじめられているとかそういうワケではない。
理由は2つある。
1つは「学校に友達が1人もいないと。」だ。
中学までは友達がめちゃくちゃいた。むしろ今でもそいつらと関係は続いており、仲は比較的良好である。
ではなぜ友達がいないのか?
それは同じ中学校出身の人が1人もいないからである。
ではなぜ同じ中学校出身の人が1人もいないのか?
それは俺の志望動機にあった。
ここで俺が通う遊学高校について説明しておこうと思う。
まず遊学高校は偏差値が低い。
どのくらい低いかといえば200点満点のテストで75〜80点取っていれば余裕で入学できるレベルである。
次に就職率or進学率の問題である。
一応共に100%なのだが毎年就職する人数は10人程度、進学する人数は30人程度である。
入学する人数は毎年決まって180人なのだが残り140人はどこにいったのか?
答えはシンプル、やめるのである。
なぜやめるのかというと校則や部活動が厳しすぎるというのが大きな理由の1つである。
校則では女子は三つ編みかショートヘアしか認められず、男子は坊主かスポーツ刈りしか認められない。
部活動では先輩後輩の上下関係がハッキリしており1年生の間はまともに練習させてくれる部が1つあるかないかである。
他にも色々とあるが後々説明していこうと思う。
ここで話を戻すが、なぜ同じ中学校出身の人が1人もいないのか?
答えは簡単、みんな高校生活を謳歌したいのだ。
こんな収容所みたいなところで3年間を棒に振りたくないのである。
ではなぜ俺はこんな学校を志望したのか?
それは中学のときに学校説明会の際に配られた部活動紹介プリントの端に小さく、本当に小さく、こう記してあったのである。
「去年よりカードゲーム部設立!ぼくらと共にカードゲームしませんか?」と。
俺はこの宣伝を一目見たとき、身体中に電撃が走るのが分かった。
何を隠そう俺は、遊戯王を愛してやまないデュエリストなの
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ