第2章 ヘンシェル星系攻防戦 前編 血塗られた赤土
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く気の利くジョークやユニークセンスを持っている。そう言ったことも何よりも彼への信頼が厚いことの理由の一つであろうか。
その後、おやじは
「よし、野郎どもピクニックに出かけるぞ!
明日の朝食で板(携行食料のパン)を帰りの馬車(迎えの装甲車)で食いたくなかったら、さっさと終わらせちまうぞ!
うまくいけば、明日は金曜日だからアリシアのうまいハムエッグが食えるぞ!」
そういって、おやじは自分のトマホークを持ち、ライフルを肩にかけて匍匐前進を開始した。
敵陣地まで50メートルもない。
ここは援護射撃下で強襲、爆破、離脱を図るのがふつうであるが、分隊員が9名であることから、援護射撃は無理そうだ。
そう思っていたら、おやじが
「シュナイダー、お前の腕の見せ所だ。
2人か3人かつれてあの集積所の護衛兵を調理してこい。
えっ?爆破はどうするかって? 俺たちがやってやるから、大丈夫だ!
援護射撃はちゃんとしてやるって、この射撃の名手6人でな!」
と言ってM15 7.5mmレーザーライフルにサプレッサーを装着し、望遠照準器を調節し始める軍曹の口元には自信満々の笑みと、どこか悪魔じみたほほえみとその反面である勝利の女神のほほえみが垣間見られた。
つまり、2人連れて集積所護衛兵をやっつけてこいということだな。と理解した私は自分の信頼する戦友というより、白兵戦でこの上ない信頼を置いている18歳のリリー・ボールドウィン上等兵(白兵戦で敵の大隊長と格闘戦の末、これを捕虜とし敵の侵攻情報入手に貢献したため昇進)と16歳のウィリアム・マッキンゼー1等兵と一緒に敵の陣地に忍び寄った。ちなみにこの時私は16歳である。16歳の若造が18歳の女性兵士と同い年の兵士を率いていくなんて本来ならおかしな話だが、状況が状況であることとこのリリー・ボールドウィン上等兵は私のことを弟のようにかわいがってくれた。
というと聞こえはいいが、かわいがってくれたのではなく向こうが一方的な好意を抱いていただけなのであるが、そういうことがあってこういった状況になってもついてきてくれる上に私の当時の最高の白兵戦ペアであったと自負している。
敵の今にも眠りそうな歩哨が2名、もう片方の2名は起きてはいるがたばこを吸って談笑中。
こんな戦場のど真ん中で油断するとは馬鹿な奴らだと私は思いながら、集積所の建物背後に忍び寄った。集積所は敵の第333装甲擲弾兵師団駐屯地とはちょっとと高台の離れたところにあったので気づかれても敵の援軍が到着するのに15分はかかる。
と見込んで、さっそく一人目の「ひよこ」に食らいついた。
後ろから口を押さえて敵の頸動脈にコンバットナイフを突き立て、一撃。死亡。
リリーとウィリアムもうまくやったようだ。残りの一人は、寝ながらあの世行きだろう。と思い接近すると彼はいきなり起き
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